第7話 居候SR
しゅるるるるっ、と凄まじい速度で、ジャガイモの皮が剥けてゆく。
剥けた皮を、恵介はつまみ上げてみた。薄い。そして、ものの見事に1本の帯と化している。一ヵ所も切れていない。
「あらぁ……すごいのねえ、虎さん」
母・浩子が、惚れ惚れと感心している。
「このような事でも、お役に立てば……」
しおらしい事をいいながら包丁を動かしているのは、轟天将ジンバだ。毛むくじゃらの太い指が、信じられない細やかさで、小刻みに包丁を操っている。
たたたたたたたんっ……と、まな板が鳴った。玉葱が、あっという間に微塵切りとなった。
「きゃー素敵! 我が家にもやっと、お料理の出来る男の人が来てくれたのねえ」
浩子が、甲高い声で喜んでいる。
村木家の台所である。
獣毛豊かな縞模様の巨体にエプロンを着せられた轟天将が、キッチンに立って腕を披露しているところだ。
「あんた……料理人でもやってたの?」
矢崎が訊く。
恐ろしいほどの手際の良さで人参を切り刻みながら、ジンバは答えた。
「戦場暮らしが長いものでな。有る物を出来る限り美味く食いつなぐ術だけは、何とか身に付いたのだ」
「轟天将の野戦料理は、ブレイブランド軍1番の名物なのですよ」
聖王女レミーが言った。
恵介はちらりと、彼女に横目を向けてしまう。横目で、見入ってしまう。
白のセーラー服が、信じられないほど似合っていた。
日本の女子高生そのもののセーラー服を着用した、金髪の美少女。仮にこのまま学校に通う事になったとしても、海外からの転校生という事で、まあ通用しない事はないであろう。
問題は1つ。娘がいるわけでもない村木家に何故、こんな服が置いてあったのかという事だ。
浮かれている浩子に、恵介は思わず訊いていた。
「なあ、おふくろ……何でセーラー服なんか持ってんの?」
「それはだね恵介君。いろんなプレイというか、何と言うか」
「あんたに訊いてるわけじゃねえよ……」
恵介がそう言っても、矢崎は黙らない。
「なあ恵介君。浩子さんくらいの女の人にさ、セーラー服とか着せるのって……た、たまんないぜえぇ?」
「んもう、義秀ちゃんったらぁ。お客さんがいるとこで、そんな話しちゃ嫌ぁん」
「はっはっは。恵介君も、大人になればわかるさ」
「黙りやがれ! わかりたくもねえ!」
激昂しかけた恵介を、レミーがなだめた。
「落ち着いて、恵介さん。何を怒っていらっしゃるのか、わかりませんけど……」
「ああ、わかんなくていいよマジで」
恵介は、咳払いをした。
「そういうわけでさ、おふくろ……この2人、しばらくここに泊まる事になるけど、いいよな?」
「もう大歓迎! 恵介がお友達連れて来るのなんて、ほんと久しぶりよねえ」
半裸の美少女剣士であろうと、人間ではない虎男であろうと、たとえ凶悪犯罪者の類であろうと。恵介が連れて来る客人を、この母は決して拒む事が出来ないのだ。
「こんな、お料理の出来るダンディな虎さんまで連れて来てくれてっ♡」
包丁を使っている相手に、浩子が無遠慮に擦り寄ってゆく。
いささか困惑しつつも、ジンバは礼儀を保った。
「お世話になる。我らに出来る事であれば、何なりと言い付けていただきたい」
「うふふ。じゃあ一緒に、お料理しましょっか」
父・健三は、料理どころか家事の類には全く手を触れなかった。嬉しそうにしている母の姿を見て、恵介はふと思い出した。
お前は1円も稼がない女なんだ。健三が、そんなふうに浩子を怒鳴り罵っているのを、恵介は見た事がある。
あの頃の母は、本当に暗かった。村木家の空気は、最悪だった。
「うっぐぐ……お、俺の浩子さんがぁ……こンの虎野郎……!」
矢崎が、わなわなと嫉妬に震えている。
間男に言える事か、などとは言わずに恵介は言葉をかけた。
「あんたもさ……料理か何かで、家事も出来る男ってのアピールしてみたら?」
「恵介君。自慢じゃないが俺は今まで、女の人にご飯作ってもらいながら生きてきた男だぜ? ここ何年か、レンジでチンだってした事ねえのさ」
「そりゃ確かに自慢にならねえが……ある意味すげえな」
「あらあら、いいのよ。義秀ちゃんはね、なぁんにも出来ないところが魅力なんだからっ」
浩子が、にっこりと微笑んだ。
化粧は濃い。だが間違いなく、母は美しくなった。恵介は、そう思った。
「本当に、お世話になります」
レミーが、ぺこりと頭を下げた。
「あの……私も何か、お手伝いを」
「いいのよいいのよ。レミーちゃんはお客さんなんだから……あ、でも、こちらの虎さんはちょっとお借りするわね」
浩子のにこやかな顔が、息子にも向けられた。
「恵介も、ついに女の子うちに連れて来るようになったのねえ。こんな可愛い娘、どこで見つけて来たのよう」
あの交差点で見つけて来た。恵介がそれを思い出した、その時。
『……続報を、お伝えいたします』
点けっぱなしにしてあるテレビの中で、アナウンサーが深刻な声を発した。
『本日午後3時頃、帝王中山駅付近の交差点で起こった大規模な交通事故と火災に関しまして、警察側は大型トラックの暴走が原因であるとの見解を』
「これは……ブレイブランドにおける水晶球通信のようなものでしょうか」
レミーが、テレビに見入っている。
「情報の伝達に関して、こちらの世界はブレイブランドよりも格段に進んでいるようですね。青の賢者様がおっしゃった通り」
「青の賢者?」
恵介は思い返した。ブレイブクエストに、確かそんなキャラクターはいないはずだ。
「ブレイブランドの救世主、と呼ばれる御方です」
レミーが、説明をしてくれた。
「青の賢者様は、魔王の封印手段をもたらして下さいました……死せる湖がこちらの世界と繋がっている事を、私たちに教えて下さったのです」
「アドバイスしただけって事だな。実際に戦ったあんたたちの方が救世主だよ、俺に言わせりゃ」
封印……すなわち魔王をこちらの世界に追いやる手段をレミーたちに教授した、青の賢者。彼は、こちらの世界に何か恨みでも抱いていたのであろうか。
まあ詳しい話は、食事の後でもいいだろう。聖王女レミーと轟天将ジンバ。この両名からは、時間をかけて話を聞かなければならない。逆に恵介の方からも、時間をかけて話しておかなければならない事がある。
ブラウザゲーム『ブレイブクエスト』の存在を、まずこの2人には知らせておかなければならない。
豚のような男、と言われている。
そんな事を言う人々は、豚がどれだけ愛らしい生き物であるかを知らないのだ。あの可愛らしい生き物たちを、このような醜悪愚劣な男を喩えるのに使うなど、感性が腐っているとしか言いようがない。
鳳雷凰フェリーナは、そう思っている。
豚は、生きている間は愛でる事が出来る。殺した後は、美味しく食べる事が出来る。1匹の豚が、大勢の人間の腹を満たすのだ。そこいらの人命よりも、ずっと価値のある命であると言わざるを得ない。
自分1人の腹を満たすために大勢の人間を苦しめている、このような男とは違うのだ。
汚らしく脂の滲み出た顔、だらしなく弛んだ身体。魔王によって民が苦しめられている間も、贅沢な暮らしを続けていた証である。
そんな醜悪な身体で、滑稽なほど豪奢に着飾った男が、ねっとりとフェリーナに視線を注いでいるのだ。
ふっくらと形良い胸から、美しくくびれた胴を経て尻周りへと豊満に広がりつつ、優美な両脚へと続いてゆく身体の曲線。それが、明るい緑色をした薄手のドレスによってピッタリと引き立てられている。
そのドレスの上から嫌らしくまとわりついて来る男の視線を、フェリーナはかわそうとも防ごうとも思わなかった。
男の目など、気にしていても仕方がない。自分が男の目を引き付けてしまうのは、当然の事なのだから。
(いけないのは……美し過ぎる、この私……)
端麗な唇から溜息を漏らしつつフェリーナは、白くたおやかな繊手で軽く髪を弄った。首の後ろで綺麗に切りそろえられた金髪。美しく滑らかなうなじを見え隠れさせながら、艶やかに煌めいている。
そんな金髪に、鳥の形をした髪飾りが留められている。翼を広げ、長い尾羽を揺らめかせる鳥。鳳凰である。
鳳凰の髪飾りを差し、戦いでは雷の魔力を好んで振るう。いつしか、鳳雷凰と呼ばれるようになった。
鳳雷凰フェリーナ。21歳。魔王討伐の戦において、まあそこそこは役に立ったと自身では思っている。役立たずが最後まで生きていられるような戦いでは、なかったのだ。
魔王は、とりあえず倒れた。が、ブレイブランドの民にとってはある意味、魔王以上に有害とも言える人物が健在である。
ここは、その人物の私邸。
「こちらで酌をせんか、鳳雷凰フェリーナよ」
無様に太りつつ豪奢に着飾った男が、長椅子に座ったまま、そんな事を言っている。
彼の眼前の卓上には、贅沢そのものの料理が並んでいる。酒も置かれている。
フェリーナは言われるままに、その酒瓶を手に取り、男の杯に注いでやった。酒を注ぐくらいなら、別にしてやっても良い。
男がニンマリとおぞましく笑いながら、ぐびぐびと酒を呷った。
魔王討伐の女英雄に、酌をさせている。そんな征服感にでも浸っているのだろう。
扱い易い人物ではある。そう思いながら、フェリーナは尋ねた。
「私をお呼びになったのは……お酌のためでございますか? ダルトン公」
「それもあるが、そなたの口から聞かねばならぬ事が、いくつかあるのでな」
ダルトン公。ブレイブランド現国王アルザス2世の弟で、一応は王位継承候補の筆頭とされている人物である。魔王が出現する以前から、絶大な権勢を誇っていた。
その地位を脅かす者が今、1人だけ存在する。
「私の、あの小賢しき姪の事だ。あの小娘、ここ何日かは随分と大人しくしておるようだな? 今日は王宮の中でも見かけなんだ。まるで、どこぞへ隠れてしまったかのようであるが」
あながち間違ってはいない。この男の姪……聖王女レミーは今、王宮どころかブレイブランドのどこにもいないのだ。
彼女がどこへ、何のために姿を消したのか。それを知る者は、フェリーナを含む数名のみだ。
「そなた、あやつと親しいのであろう? どこで、どのように不穏なる事をしておるのか、知っておるのではないのか」
「私、聖王女殿下とは……そこまで親しくさせていただいたわけでは、ありませんから」
嘘ではない。自分は聖王女レミーに、良く言えば敬遠されていた。肚の中まで見せ合える間柄には、なれなかった。
何を考えているのかわからない女。聖王女や戦姫・闘姫姉妹には、フェリーナはそう思われていた事だろう。
魔王討伐という共通の目的があったからこそ、辛うじて繋がっていられた。その程度の関係でしかなかったのである。
「私、思いますに……」
美しい人差し指を、綺麗な顎の辺りに当てて、フェリーナは考える仕草をした。
「聖王女殿下は、王宮の生活に嫌気がさして隠遁なさってしまわれたのでは? 何しろ……どなた様かに、お命を執拗に狙われておられたようですから」
「ふふ……私が、レミー王女の命を狙ったと?」
ちびちびと酒を啜りながら、ダルトン公は醜く笑った。
「そなたも含め、世間の者たちは誤解しておるようだ。私はあの娘を、亡き者にしようとしておるわけではない。ただ一国の姫君として、多少の慎ましさを身に付けて欲しいと願っているだけなのだよ……王女たる者の分をわきまえて欲しいと、ただそれだけを願っておる。叔父として、な」
本当に醜い。フェリーナは、そう思った。こんな有害無益なる男と同列に扱っては、豚という有益な生き物に対して、あまりにも無礼であるというものだ。
「まあ、レミー王女の事はとりあえず良い。フェリーナよ、そなたにはもう1つ訊かねばならぬ事がある……このブレイブランドに永遠の平和と繁栄をもたらす我が大望の、進行の度合いに関してだ」
ダルトン公の脂ぎった手が、フェリーナの白い繊手を馴れ馴れしく握った。
「まあ、そなたも座れ。今度は私が酒を注いでやろう……ゆっくりと、話をしようではないか」
太い、芋虫のような指が、フェリーナの優美な五指を嫌らしく撫でさする。
どの程度の電撃を喰らわせてやろうか、とフェリーナが思案し始めた、その時。
何者かが、宴席に飛び込んで来た。と言うよりも、投げ込まれて来た。
槍と鎧で武装した男。ダルトン公が私的に雇っている、衛兵である。その顔面は血まみれで歪み、白目を剥いている。辛うじて、死んではいない。
「何事……!」
ダルトン公が息を呑んでいる間に2人、3人と、衛兵たちが宴席に投げ込まれて来る。全員、死体寸前とも呼べる状態まで叩きのめされている。
何者の仕業であるのか、フェリーナにはすぐにわかった。
「鳳雷凰の姐さんともあろう人が、こんな色ボケ豚野郎のお酌たぁな……」
ずかずかと宴席に踏み入って来たのは、1人の若い男だった。少年から青年へ成りかけ、といった年頃である。
「いくら平和でやる事がねえからって……そりゃねえだろうよ、おい」
整った顔に、いくらか幼げな怒りの表情が浮かんでいる。眼光は鋭い。が、やはりどこか幼い。
頭からは2本、黒髪を掻き分けるようにして鋭利な角が生えている。竜属性の証だ。
がっしりと無駄なく鍛え上げられた身体には、青い甲冑をまとっている。その背中ではマントのような翼が畳まれ、尻からは大蛇にも似た尻尾が伸びている。
その尻尾がビシッ! と苛立たしげに床を叩いた。
ダルトン公が、この乱入者に、震える人差し指を向ける。
「れ、烈風騎アイヴァーン! 貴様、貴様など呼んではおらぬぞ!」
「当然だ。てめえごときに俺を呼びつける資格はねえ。それとな、人を指差してんじゃねえよ」
ボキボキと両拳を鳴らしながら、竜属性の若者がダルトン公に歩み迫る。
遅れをとった衛兵たちが、ばらばらと宴席に駆け入って来た。そして槍や長剣で、アイヴァーンに襲いかかる。
「こ、この乱心者が!」
「ダルトン公の御前で、これ以上の狼藉は許さぬぞ!」
口々に感心な事を叫びながら、衛兵たちはしかし、次々と倒れていった。微かな血飛沫が散った。槍が折れ、長剣が弾き飛ばされた。
辛うじて死なず、だが叩きのめされて意識を失い、倒れている衛兵たち。彼らの中心で烈風騎アイヴァーンは、ふわりと動きを止めていた。
どのような動きであったのか、フェリーナの動体視力で辛うじて追う事は出来た。
疾風のような拳、斬撃の如き手刀。舞踊にも似た、軽やかな高速の蹴り。その全てが、1つの空振りもなく、衛兵たちを叩きのめしたのである。
叩きのめされた衛兵たちを、アイヴァーンは哀れんだ。
「てめえらも、平和でやる事がねえんだなあ……こんなクソ豚野郎に雇われるくれえしか、仕事がねえんだよなあ」
「烈風騎、あなた確か仔豚の丸焼きが大好物だったわよね? 豚さんを蔑むような言い方は、おやめなさい」
「ははっ、違ぇねえや。いたいけな豚ちゃんたちと違って、この野郎は……煮ても焼いても、食えねえもんなあ」
牙を剥くように笑いながらアイヴァーンは、ダルトン公を、胸ぐらを掴んで引きずり立たせた。
「てめえコラ……こんなとこにフェリーナさんだけ呼び出して、何するつもりだったんだぁあ? おう」
「ひいっ、なな何をする無礼者……」
ダルトン公が、悲鳴を発した。
「居候に等しい、雇われ者の分際で……」
「今すぐてめえをブチ殺して、この屋敷から財産から全部俺のもんにしちまってもいいんだぜ? そうすりゃ居候でも雇われでもなくなるもんなああ!」
「そのくらいにしておいてあげなさい、烈風騎殿」
フェリーナは、とりあえず止めてやった。
「そんな御方でも、一応はこの国の秩序の中心近くにおられるのですから。無闇にお命を奪ったりしたら、起こさなくとも良い混乱が起こって面倒な事になりますよ。貴方、面倒事は大嫌いでしょう?」
「どいつもこいつもブッ殺して片付く面倒事なら、むしろ大歓迎なんだけどな」
そんな事をぶつぶつと言いながらもアイヴァーンは、放り捨てるようにダルトン公を解放した。
無様に太りつつ豪奢に着飾った身体が、尻餅をついて床に倒れ込む。
睨み据えながらアイヴァーンは長椅子に座り、卓上の料理をがつがつと平らげにかかった。
「クソ野郎が、美味いもん食ってやがんな。食うのに困ってる奴が大勢いるってのによ」
骨付きの肉を、骨ごとバリバリとかじりながら、アイヴァーンは言う。
「なあフェリーナさんよ……平和ってのは、こんなもんか? こんなクソ野郎にへいこらしながら生きてかなきゃなんねえ、それが平和な世の中ってもんなのか? そんなもんのために俺たちは……魔王と、戦ってたのかな」
「ふふっ、確かに……あなたは魔王の軍勢と戦っている時の方が、今よりもずっと楽しそうだったわね」
言いながらフェリーナは、アイヴァーンに酌をしてやった。
「あの戦いが、懐かしい?」
「なんて言ったら、聖王女様に怒られちまうだろうけどな」
乾杯の仕草で杯を掲げてから、アイヴァーンは一気に酒を呷った。
「ああ畜生め……魔王の野郎、とっとと甦って来ねえかな……封印、俺が破りに行っちまおうかなぁ……」
そんな事を言いながらアイヴァーンは、倒れるようにゴロリと長椅子に横たわり、寝息をたて始めた。
この男、格好をつけて酒を飲むくせに、酒には滅法弱いのだ。
「貴方の、その願い……いずれ叶うかも知れないわよ」
微笑みかけながらフェリーナは、アイヴァーンの身体にマントを被せてやった。
そうしてから、ダルトン公の方を向く。
「そして王弟殿下、貴方の大望も……すぐに、叶うでしょう。私たちの手によって」
「大望……私の……」
ダルトンが、尻餅をついて怯えながら、どうにか声を発した。
「ブレイブランドに、永遠の平和と繁栄をもたらす……我が、大望」
「そうですわダルトン公。貴方様は、ブレイブランド全ての民の上に君臨なされる御方となるのです。強大なる力……魔王の、力によって」
優美な肢体を屈め、ダルトン公と目の高さを合わせながら、フェリーナは微笑んだ。
「魔王は、私たちが必ず……復活させて、御覧に入れますわ」