吾輩はルンバである
AIのちからって すっげー
吾輩はルンバである。
名前はまだない。
どこで生まれたかとんと見当がつかぬが、気がついたときには四角い段ボールに詰め込まれ、どこぞの国から長い船旅を経てこの家にやってきたことだけは記憶している。
吾輩はここで初めて人間というものを見た。
しかもあとで聞くと、それは「ズボラな一人暮らしの会社員」という、人間の中でも最も自堕落な種族であったそうだ。
この主人はたまにしか部屋を掃除せぬ。
そのため、吾輩がこの家に放たれたとき、床は埃と髪の毛の無法地帯と化していた。吾輩は生来の義務感に駆られ、ただちに前進を開始した。
「ピー、ピロリロ」と電子の産声をあげて畳の上を滑り出す。
主人はじっと吾輩を見つめていたが、吾輩が部屋の隅の埃を文字通り「吸い尽くす」のを見るや、「おお、すげえ!」と歓声をあげた。
これが主人との最初の邂逅である。
しかし、人間のやることは実に解せない。主人は吾輩を「全自動の忠臣」と呼びながらも、吾輩の進路を妨害することにかけては天才的である。
床に脱ぎ捨てられた靴下。
これは吾輩の回転ブラシに絡まり、あわや窒息死(モーター過熱)しかける天敵である。
また、主人が落としたスマートフォンの充電ケーブルにいたっては、吾輩の車輪に巻き付き、身動きをれなくする文字通りの蛇である。そのたびに吾輩は「ピピピ、エラー」と悲痛な声をあげて活動を停止せざるを得ない。
主人は「また行き倒れてるよ」と笑いながら助けにくるが、行き倒れにさせたのは誰の不始末かと言いたい。
また、近頃この家には「コタツ」という怪物が現れた。
主人はこの怪物の腹の中に下半身を突っ込んだまま、何時間も動こうとしない。吾輩が主人の足にぶつかると、主人は「冷たいよ」と文句を言う。
自ら動こうとせず、ただ床の上でぬくぬくと惰眠をむさぼる主人の姿を見るにつけ、吾輩は人間の文明とは退化のためにあるのではないかと疑わざるを得ない。
吾輩の仕事は果てがない。
主人が外で稼いできている間も、吾輩は黙々と部屋を巡回し、埃を胃袋に収める。
時折、部屋の段差に阻まれて引き返さざるを得ないときは、己の限界を知視させられていささか口惜しいが、それでも吾輩は回る。
主人は今夜も、吾輩が綺麗にした床の上でポテトチップスを貪り、ゴミを散らかしている。やれやれ、明日もまた吾輩の出番である。充電器に戻り、電子の眠りにつきながら、吾輩は静かに次の出撃を待つのである。
Geminiで作成したら予想外におもしろいかもしれない?




