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1、婚約破棄と貴族追放


 「リエラ・ガイジェスト嬢との婚約を破棄し、私ロイド・サエストロはシェリル・ガイジェスト嬢との婚約を発表する!」


 「リエラ。すまないが、お前にはこの家を出てってもらう」


 リエラ・ガイジェスト。齢十四の誕生日を迎えたこの日、リエラが受け取ったのはプレゼントではなく、突然の婚約破棄と子爵家追放のダブルパンチ。この光景に、誰もが絶望的だと思っていた―――






 リエラの人生は波乱的な始まりであった。

 リエラは姉妹である五つ年上の姉シェリルと三つ下の妹ミシェルとは母親が違う。いわゆる異母姉妹だ。

 父親であるローガス・ガイジェスト子爵と当時酒場のウェイトレスをしていたノエルという若い女性との間に出来た子供だ。


 リエラは産みの母ノエルと二人で平民として過ごしていた。しかし、リエラが五歳の時ノエルが流行り病によって亡くなり、リエラはガイジェスト家に引き取られることになった。しかし、妾の子故ガイジェスト子爵夫人ミラと義姉妹からは快く思われてなく、リエラは肩身の狭い生活を強いられるようになる。


 リエラに与えられた部屋は狭い屋根裏部屋。家族と食事を共にすることもなければ、顔を合わせることもほとんどない。そればかりか、食事の準備や掃除洗濯など使用人同然のようにこき使うようになり、「一族の恥」「落ちこぼれ」とリエラに罵詈雑言を吐くようになったのだ。父親のローガスもリエラに対する家族の行動を把握はしていたが、多忙故つい見て見ぬふりをしていたのだった。

 

 そんな環境の中でも生きてこれたのは、ガイジェスト家に仕える使用人達の存在だった。 


 ガイジェスト家の人間の目を盗んでは、リエラに温かい食事を用意したりひどい仕打ちを受けるリエラを心配したりと、陰ながら支えていたのだった。


 そんなリエラの人生に転機が訪れたのは十歳の春。親族であるサエストロ伯爵家の嫡男ロイドが五つ年下のリエラに一目惚れし、婚約を申し出たのだった。

 リエラの婚約にガイジェスト家は反対をしていたが、ロイドがどうしてもと食い下がらなかったため、『リエラが十四の歳になる日までに、ロイドは婚約するかどうかを決断する』『万が一婚約破棄があった場合、リエラをガイジェスト家から追放する』という厳しい条件でなんとか納得したのだった。


 ロイドはリエラにべた惚れで、何でも好きな物を買ってあげ、色んな場所に連れてってくれた。リエラもガイジェスト家に引き取られてから外に出る生活をしたことがなかったため、ロイドと過ごす時間が何よりの楽しみだった。


 しかし、義姉のシェリルはそんなリエラが面白くなかった。妾の子の分際で伯爵家の嫡男に気に入られてるのが許せないと思い、リエラからロイドを奪う計画を立てたのだ。

 リエラに内緒でロイドと会って、リエラの悪い噂を流した。『義妹を虐めている』『使用人をこき使っている』『ロイドの他に多くの令息といかがわしい関係を持っている』など、嘘の話をロイドに吹き込んだ。

 最初こそ信じてなかったロイドだが、何度も聞かされる内にだんだんリエラを疑うようになり、ついに―――






 「リエラ・ガイジェスト!貴様との婚約は解消する。そして、私ロイド・サエストロはこちらにいるシェリル・ガイジェストとの婚約を発表する」



 リエラが十四歳の誕生日の日。ガイジェスト家主催の夜会でロイドはリエラとの婚約を解消し、代わりに義姉のシェリルとの婚約を発表したのだ。この結果に父ローガスは肩を落とし、義母ミラと義姉シェリルは勝ち誇った顔をする。夜会に参加した貴族達もざわめきが止まらなかった。


 「ごめんねリエラ。まぁ、落ちこぼれのあんたにはロイドのような殿方と釣り合うわけがないものね」

 

 ロイドの隣りに立つシェリルは、口では申し分けないと言いつつ嘲笑うように見下していた。ミラも妹のミシェルもクスクスとリエラを小馬鹿にするように笑っていた。


 「リエラ。決まりどおりお前にはこのガイジェスト家を出て行ってもらう。悪く思わないでくれ」


 ローガスはリエラにガイジェスト家追放を宣言した。



 「婚約破棄……追放……」


 リエラはただただ呆然とした。


 夜会中に行われた婚約解消と貴族追放。この状況に誰もが絶対的だと思っていたが―――







 


 



 「ありがとうございます!これでやっと自立することが出来ます!」





 「………は?」


 この状況に反するリエラの明るい表情と奇想天外な発言。これには誰もが頭に『?』を浮かべるのであった…。



 

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