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セオドアの想い4(セオドア視点)

 翌日、学園はヴィオラとネイトの婚約破棄の話題で持ちきりだった。ネイトはよほどこたえたのか、登校してきていない。

 セオドアは、昨日のヴィオラとネイトの会話を思い出していた。ヴィオラは、太っていたのが薬の副作用のせいだと言っていた。では、何故スリムになる事が出来たのか。まさか、薬を飲むのをやめたのか。そんな事をして体は大丈夫なのか。

 そう言えば、ステイシーは薬に興味を持っているようだった。ステイシーなら何か知っているかもしれない。


 気になったセオドアは、昼休みにステイシーの姿を探した。裏庭の側まで来ると、ステイシーとヴィオラが二人きりで話している姿を見つけた。

「ステイシー、ヴィオラ嬢!」

 セオドアが声を掛けると二人は驚いたように振り向いた。


「どうしました?セオドア殿下」

 ステイシーが口を開くと、セオドアは気まずそうにヴィオラの方に視線を向けた。

「その……人のプライバシーに口を挟むのはどうかと思ったんだけど、ヴィオラ嬢の体が心配で……」

「私の体が?」

 ヴィオラが、きょとんとして首を傾げる。セオドアは、思い切って、昨日教室での会話を聞いてしまった事を話した。


「ああ……それで、痩せた私の事を心配して下さったのですね。ありがとうございます。でも、大丈夫ですよ」

 ヴィオラは、にっこりと笑って応えた。

「……実は、ステイシー様が薬局を紹介して下さいまして。その薬局で相談したら、薬剤師さんが太る副作用の少ない薬を医師に提案して下さったんです。それで、新しい薬を代わりに飲んでいたら、このように痩せる事が出来ました」

「そうだったんだね……」

 セオドアはホッとした。ヴィオラとは、合同授業でたまに一緒になる程度の交流しかないが、やはり同じ学園に通う仲間には健康に過ごして欲しい。

「……私はステイシー様の悪い噂を真に受けて、きつい言葉を投げかけたりしていたのに、本当に……ありがとうございました」

 ヴィオラは、ステイシーに深々と頭を下げた。

「そんな、頭を上げて下さい」

 ステイシーは、慌てて手を振った。


「では、私、これで失礼致します」

 そう言って、ヴィオラはその場を後にした。

「私も、図書室で調べたい事があるので失礼します」

 ステイシーも裏庭を立ち去ろうとしたが、その前にくるっとセオドアの方を向いた。

「セオドア殿下は冷静で賢い印象がありましたけど、それだけではなくお優しいんですね」

 満面の笑みでそう言うと、ステイシーは走り去っていった。そんな笑みを向けられたセオドアは、しばらく顔を赤くしてその場に佇んでいた。


 思えば、あの時にはもうステイシーの虜になっていたのかもしれない。そう思いながら、セオドアはワインを一口飲んだ。



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