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セオドアの想い1(セオドア視点)

この話に出て来る医療の知識は、あくまで異世界のものです。皆様は、現実の医療の常識に従って行動して下さい。

あと、医師など医療従事者のいう事に従って下さい。

 ステイシーがアシュトン夫妻の為に薬を開発している頃。ある夜、王城で夜会が催されていた。会場の一角で令嬢達に囲まれながら、セオドアは心の中で溜息を吐いた。自分に媚びを売るばかりで、自身の知識を深めようとする事もない令嬢達に言い寄られるのはうんざりだった。ステイシーがいない夜会なんて、第一王子という立場が無ければ参加しなかったのに。


 なんとか令嬢達をかわし、やっと一人で食事が出来ると思った矢先、また声を掛けられた。

「やあ、兄さん。こんな隅で食事をしているのか」

 声を掛けて来たのは、弟のブレット。隣には、最近婚約したばかりのアニタ・ウォルターズ男爵令嬢もいる。

「セオドア殿下も一緒にこちらでお食事しましょうよお。楽しいですよ」

 彼女が上目遣いに話し掛けて来るが、セオドアの気持ちは氷点下まで冷え込むようだった。

「……せっかくだけど、僕も疲れてしまってね。しばらくは一人で静かに食べたいんだ。済まないね」

 セオドアが張り付けたような笑顔で言うと、アニタは「残念ですう」と言って引き下がった。

「全く。兄さんは顔も頭もいいんだから、もっと令嬢達と交流を持って、早く婚約者を見つけてくれよ。兄さんが結婚しないと、俺達も結婚しづらいじゃないか」

「そうですよお。私達、早く結婚したいんですう」

 アニタがむくれる。

「……そう言えば、最近兄さんが薬局に頻繁に通ってるって噂を聞いたな。何でも、あのステイシーが勤めている薬局だとか。あの女には、あまり関わらない方がいいと思うよ」

「そうですう。私、ステイシー様に虐められてたんですからあ」

「ご忠告ありがとう。……さあ、もう行って。あちらのテーブルにいる方々が君達を待っているよ」

 二人がその場を離れると、セオドアは真顔になった。何が虐めだ。そんなの冤罪に決まっている。ステイシーがそんな事するわけない。嘘を吐いたあの女も大概だが、あの女に騙されステイシーと婚約解消し、すぐにあの女と婚約を結び直したブレットも愚かだ。まあ、愚かだったおかげで彼がステイシーを手放してくれたわけだが。

 そう。セオドアは今までブレットに遠慮していたが、本当は自分がステイシーを手に入れたかった。彼女が婚約破棄された今、もうセオドアを邪魔する者はいない。今はまだ彼女は仕事のことで頭がいっぱいだろうが、徐々にステイシーにアプローチしていこうと思っている。

 彼女にこんなに恋焦がれたのはいつからだっただろうか。そう考えて、セオドアは二年前の出来事を思い出していた。


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