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双子姉妹の異世界転生冒険記  作者: 明治のギャル
2/2

1話.要らない子

「この忌み子が…」

お母さんは冷めた目で私達を見ながら今日も鞭で打つ


あの後私達は刺されて目が覚めたらベレン家の令嬢として生まれ変わっていた。まさか本当に生まれ変われるなんて思ってもなかった…

お金持ちっぽいから贅沢な暮らしが出来るかもと喜んでいたのもつかの間

お父さんもお母さんもいるものの何故か私達を嫌っているみたい。ほんと最悪よ!


私達がベレン家に生まれ変わってからもう5年か思ったより結構早いな…なんて思いながら妹の詩音…今の名前はソアラか

「ねえソアラ私達もう5歳だね」

前世も含めたらもう23歳だ

もし23歳まで生きてたらどうしてたんだろうな

「ねえルナ今年の誕生日はどうする?またいつもみたいに2人でケーキとか作る?」

と心躍る提案をされた

ちなみにルナというのは私の新しい名前

もう5年も経つのに未だに自分の名前に慣れない

「でもお母さんが今日は家に帰ってくるよ」

なんて言ってベッドの上でゴロゴロとし始めた。

もう帰ってくるなら早めに外に出た方がいいよなと思いながら窓の外を眺める。

今日もいい天気だ


大半フラフラとして遊んでいて私達を放置しているのに今日に限って帰ってくるなんてついてないななんて思いながらこの特別な日をどう過ごすか考えているとドカドカと歩く足音が聞こえた

質素な部屋の中に隠れる場所などないので2人で手を繋ぎお互いを慰め合い

少しでも早く怒りを沈めてくれることを祈ってその足音の持ち主を部屋へと招く。

「おはよう。ソアラ・ルナ今日はよく眠れたかしら?」

なんて言いながら部屋に入ってくる。

侍女達は早く行こうだなんて言って早々と部屋から出ていった。子供が虐げられているのを知っていて何もしないだなんて酷いなどこの世界の大人も面倒ごとは嫌いみたいだ

「あなた達ってどうしてそんなに醜い瞳をしているのかしら」

ソアラは赤色。私は青色の瞳を持つ

お母さんとお父さんは私達とは違う色

だから嫌いなのかな…

「なんとか言ったらどうなの?」

そんな事言われても仕方ないじゃん

自分で目の色なんて決めて産まれた訳じゃないから何も言えない。

そうやって黙りこくっているとお母さんはソアラに向かって手を振り下ろした。

その衝撃で転んだソアラを心配していると

余計に気分が悪くなり私にまで手を下してきた

ここに生まれてから毎日のように殴られてるおかげかだいぶ痛みには慣れてきた

ブツブツと言いながら部屋から出ていく。

今日は1発で良かったななんて思って今でも泣いている妹を慰める

「大丈夫?」そう聞くとぐすぐすと泣きながらこくりと頷く

「私は大丈夫じゃない」なんて言い妹をギュッと抱きしめていつ来るかも分からない幸せについて話した。


いつか家から出るためにずっと練習している事がある。それは魔法を扱う事だ

この世界には魔法があると知った時絶対に使ってみたいと思い独学で勉強している

どうやら魔法というのは案外簡単なもので私達のような子供でも使えるものらしい


「じゃあ今日は何をしようか」

お母さんが帰ってきたせいでケーキを作ることはダメになったため私達は領地内にある森に来ていた

「湖を凍らせてスケートしたい」とまたソアラが魅力的な提案をしてきた為採用した

せーのと2人で息を合わせて一斉に氷魔法を放った。


「あー今日も遊んだなちょっと疲れちゃった」と言いゴロンと寝転ぶ

明日は何しようかな


今日もお母さんは私達に怒鳴っている

そんな毎日怒ってて疲れないのかな

早く終わらないかなと思いながらいつもみたいにボーッとしていたら横で何かが倒れた音がした。

「ソアラ…?」

倒れているソアラの頭から血が流れている

そして近くには割れたガラス。

冷たい目で私達を見ている母

これは2回目だだけど前とは違う。

前は頼れる人がいたでも今はいない。きっと侍女に助けを求めても無視するだけだろう。アイツらはお母さんが何か言わないと動かない

ならどうすればいいの?

どうしたらソアラを助けられるんだ

そんなの私には分からない

お願いどうかもう死なないで

もうあなたが死ぬところは見たくないよ

情けなく涙をポロポロと流しながら自分の持つありったけの魔力をソアラに注ぎ込む

私はどうなってもいいからこの子だけは

気づいたら夜だった

結論から言うとソアラは生きていた

ただ何も喋ってくれないしこちらを見向きもしてくれない壊れた人形のように一点を見つめている

それでもいい。

この子が隣に居てくれるなら何でも良かった









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