札幌にて
札幌はいい街です。
今の私は北の大地を踏みしめている。大通駅に面する本屋で村上春樹を買い、大通公園のベンチに腰かける。カップルや飲み会までの時間を潰す様々人種が一堂に会するこのような公園がターミナル駅の目と鼻の先にあるという事実を札幌市民は甘受しすぎているのではなかろうか。何気なしに歩くこの公園が東京にもあれば私は毎日足繁く通うだろう。これは京都の鴨川にも通ずるものがあるが。さて、旅先で小説をを読みたくなったのはこれが初めてであるが、どうもそんな感じがしないのだ。今まで本当に旅先で本屋により小説を買ったことがなかったか必死に思い出してみるが、やはりそんな記憶は全くない。確かに、北海道に来すぎているので人とは少し違う楽しみ方をしようと画策したのは事実ではある。しかしその結果、やったこともないのにやった気がする行動に出てしまったこともまた事実である。日暮れまで時間が無い。そろそろ読書に着手しよう。噴水の音と信号機の声を聞きながら私は本を開く。
やはり北海道は良い。
札幌はやはりいい街です。