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庭にできた異世界で丸儲け。社畜をやめたい俺が、気づいたらスキルで現実でも成り上がっていた  作者: k-ing☆書籍発売中
第二区画

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93.謎の集落

 謎の集落に入るとそこには誰かが、過去に住んでいたような形跡が残っていた。


「すみません、誰かいませんかー?」


 桃乃は声を出しながら歩くが誰も反応はない。


 それよりも勝手に集落へ入って来てるのに、こんなに堂々と歩いて良いものなのか。


 俺が気をつけながら移動しているのは集落が荒れており、スラム街のような見た目になっていたからだ。


 それなのに桃乃には危機感がない。


「ちょっと家に入ってみるか」


 俺は近くにあった建物の壁を軽くノックした。


「……」


「先輩、自分のステータスを考えた方がいいですよ。不法侵入よりやばいです」


 軽く扉を叩いたつもりが、扉をそのまま破壊していた。扉から壁まで亀裂が入り、さらに入り口が広くなっていた。


 危機感がないのは俺の方なのかもしれない。


「玄関が大きな住居って最高だな!」


 俺は気持ちを切り替えて中に入ることにした。


やっぱり(・・・・)誰もいなさそうですね」


「人の気配すらないからな」


 建物の中には誰もいなかったが、特に荒らされた様子はなく、人が住んでいた形跡はそのまま残っている。


「ここって工場(こうば)か?」


「たぶんそうですね。工場よりは少し鍛冶場に近いですね」


 入った建物には火炉(かろ)金床(かなとこ)があり、何かを作っていた場所なんだろう。


「使われた形跡もだいぶ古いし、木炭も結構前のやつになるな」


 俺は火炉の中に入っていた木炭に触れると、アイテムに収納された。


――トレント亜種の木炭


 どうやらトレントの木炭らしい。あいつらも木炭にされるとは思ってないだろう。俺ならすぐにいらない木を回収させてくれそうだが、普通なら魔物相手に戦わないといけない。


「亜種って聞いたことあるか?」


 それにしてもトレント亜種(・・)と見たことない表示がされていた。


「亜種って同じ種類だけど全く姿が違うものとかに使いますよね。ゲームでも普通のやつよりも強かったり、ボスになってたりすると思いますよ」


「おお、ならこいつも強かったのか」


 俺は桃乃にトレント亜種の木炭を渡すと、アイテムとして回収した。


「これって普通のトレントの木炭じゃないんですか?」


 どうやら桃乃には"トレントの木炭"と表示されているらしい。


「俺には亜種って文字が見えるぞ?」


「なら先輩の自動鑑定か統合された時に神癒慈悲大天使(ラミエル)が持っている能力かもしれないですね」


 俺だけスキルの影響で亜種と表示されているだけらしい。


 ただ、詳しい表示がないことから便利屋の神光智慧大天使(ウリエル)も亜種に関しての情報は少ないようだ。


「先輩この道具も入れておきますか?」


 桃乃が持ってきたのはハンマーだ。大きさ的には鉄を叩くハンマーだったが、持ち手部分には"ドーリ“と名前が彫られていた。


 どうやらここはこのハンマーの持ち主であるドーリさんの工場だろう。それにしてもちゃんと人が住んでいたことに驚きだ。


 俺はドーリのハンマーをアイテムとして回収した。装備できるのか確認しようと思ったが、武器欄には存在しないためどうやら俺に装備はできないらしい。


 農民装備ばかりの俺が装備できたら今度はハンマーで攻撃とか……どこを目指せばいいのかわからなくなってしまう。


 その後も集落の中を見て回ったが、基本的にはいくつかの部屋に分かれている構造をしていた。そして、どこの部屋も何者かに襲われたような荒れ方だった。


「本当に物騒なところだったんですかね?」


「そうだろうな。壁の傷からも何か鋭利なもので壁が(えぐ)り取られた跡があるからな」


 探索を続けていると外から音が聞こえてきた。


「先輩、今音が聞こえましたよね?」


「ああ、俺達以外にもここにいるようだな」


 俺は口元に手を当てて静かにするように指示を出し、ゆっくりと外に向かった。


 そこには俺が会いたくて仕方なかった奴がいた。


「コボルト!」


「グルゥ!?」


 コボルトは一体で歩いており、俺の方を見ると少し戸惑っていたがすぐに俺の存在に気づいたようだ。


 ああ、久しぶりに会ったから誰か忘れちゃったのだろうか。なるべく会いに行かないと、忘れられてしまうと改めて思った。


「会いたかったぞー! 会いに来てくれないから寂しかったじゃないか!」


 コボルトに向かって勢いよく走っていくと、向こうも俺に向かって飛びつこうと大きくジャンプした。


「先輩、そいつコボルトじゃないです!」


「えっ!?」


 俺は桃乃の方を振り返ったがすでに遅かった。


 コボルトだと思って抱きつく覚悟で飛びついたが、奴は俺の頭に噛み付いていた。


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