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庭にできた異世界で丸儲け。社畜をやめたい俺が、気づいたらスキルで現実でも成り上がっていた  作者: k-ing☆書籍発売中
第二区画

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90.愛しのコボルト

 俺は家に帰るとテーブルに置かれたおかずを見て気づいた。さっきまで桃乃に連絡するつもりだったことを忘れていた。


 早速桃乃に連絡することにした。


「あっ、はい」


 一回しかコールが鳴っていないのに、すぐに桃乃は出た。


「出るのはやくないか?」


「ちょっと触ってたので……」


 さっきまであんな状態だったから、桃乃の発言も変な風に聞こえてしまったのだろう。ちなみに俺の息子さんも今は落ち着いている。


「今家にいるか?」


「今日は暇なのでゴロゴロしてますよ」


 どうやら桃乃は自宅にいるらしい。それならとおばさんの話をすることにした。


「さっき隣に住むおばさんがおかずを持ってきたんだけど昼って食べたか?」


「まだです。せっかくだから行きましょうか?」


「そうしてくれると助かる」


 本当におばさんが作ってきた量が多いのだ。保存することもできるが、それでも悪くなる前に食べ切れるかわからない量がテーブルの上に置かれていた。





 桃乃は電話を切るとすぐに家を訪ねてきた。


「おいおい、うるさいぞ」


 鬼のようにインターホンが鳴っている。玄関を開けると桃乃が立っていた。


「休みの日に後輩を呼びつけるとかパワハラですよ」


「じゃあ、帰――」


「うそうそ、冗談です」


 扉を閉めようとすると桃乃は扉に手をかけた。


 俺は仕方なく扉を開けると、そこには動きやすい服装でニコニコしてる桃乃がいた。きっと久しぶりに呼んだから異世界に行くと思ったのだろう。


「お邪魔します」


「お邪魔されまーす」


 俺は桃乃を居間まで案内すると、テーブルに置かれた保存容器の量に驚いていた。


「えっ!?」


「これは一人暮らしには処理できないだろ?」


「そうですね」


 保存容器は大きめなやつが10個以上あり、4人掛けのテーブルにいっぱい置いてあるのだ。


「なにかおばさんにお礼しないといけないですね」


 確かに桃乃が言うようにお礼をした方がいいのだろう。


「そういえば、さっきマリアンナが来たぞ!」


「えっ、先輩って外国人と付き合い出したんですか!?」


 マリアンナの説明をしないと、誰のことかさすがにわからなかった。


「アメリカ社のあのナイスバディな女性だ」


「あー、確かに女性の方がいましたね」


 桃乃はマリアンナのことを思い出したようだ。社長だけではなく、彼女自体のインパクトも凄かったが、同じ女性よりは異性の社長に注目していたのだろう。


「それでマリアンナさんが何しに来たんですか?」


「ああ、それが異世界の存在を知っていたぞ」


「そうなんで……すねええええーー!」


 桃乃は驚いてテーブルの上に体を突き出していた。


 いやいや、ももちゃん顔が近いよ。


 手が当たり、落ちそうになっている保存容器を手で受け止める。


 なんとかギリギリ落とさずに済んだが、テーブルの上にたくさん乗っているため、当たると落ちてしまう。


「あっ、先輩すみません」


「そりゃー驚くよな」


 さっきまでの俺も内心こんな反応をしていた。


「家の売却広告や電話も多分マリアンナが関係しているわ」


「それって目的が穴の先にある異世界を欲しいってたってことですか?」


「そういうことだ。それで一緒に穴に入ることになったんだが、どうやら異世界のクエストは終わっていたんだ。コボルト達も元々いなかったような雰囲気で存在すらしていなかった」


 コボルト達に会えないって思うと悲しくなってくる。あれだけのもふもふパラダイスを普段する機会もない。


 仕事の疲れを癒す新しい癒しを見つけないといけないだろう。


 桃乃は驚いていたが、今度は自身で体が前に出ないように止めていた。さすが学習能力が高い女性だ。


「異世界に行けないと稼ぐのは大変じゃないですか? それにコボルト達に会えないなんて……」


 同じ愛犬家として、桃乃もコボルトに会えないのが悲しいのだろう。


「それが出る時にコボルト達に呼ばれている気がしてさ」


 異世界から帰ってくる時に聞こえたコボルトの声は、悲しさのあまり幻聴が聞こえたのだろう。だが、桃乃にその話をするために何か準備をしていた。


「先輩見に行きましょう!」


 どうやら桃乃は俺の気持ちもお構いなしだ。彼女のこのはっきりとした性格が助けになっている。


 異世界へ行きたいという気持ちが薄れていたが、またコボルトに会うために再び異世界へ行くことにした。

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