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庭にできた異世界で丸儲け。社畜をやめたい俺が、気づいたらスキルで現実でも成り上がっていた  作者: k-ing☆書籍発売中
第一区画

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71.作戦会議

 おばさんからもらったおかずを食べながら作戦会議を始めることにした。 


「相変わらず肉じゃが美味しいですよ」


「ああ」


 いつもは気にせず食べていたが、どこか胸の突っ掛かりが取れずにいた。


「やたら埋めると危ないって聞いたことがあるから考えないとだめよ」


 なぜかおばさんの言葉がずっと頭の中で残っている。今までキラーアントの住処を土属性魔法で塞いだのは攻略した穴だから問題はないはずだ。


 普段の俺なら気にはしないが頭を離れない。そのためどうするか早めに決めておきたいのもあった。方向性によっては投資先も検討が必要になるだろう。


「先輩どうしました?」


 考えごとをしていて話をするのを忘れていた。


「とりあえず今はどんな魔法スキルが使えるんだ?」


「今使えるのはこんな感じですね」


 桃乃は自身のカバンから紙を取り出し、ペンでスキル名を書いていく。


――――――――――――――――――――


【火属性魔法】

ボルケーノストライク

ファイヤーボール

【水属性魔法】

ウォーターカッター

ウォーターボール

【風属性魔法】

ウィンドカッター

【土属性魔法】

アースクエイク

アースウォール

【回復魔法】

メディカルキュア

ヒール


――――――――――――――――――――


 上から順番に火属性魔法2つ、水属性魔法2つ、風属性魔法1つ、土属性魔法2つ、回復魔法2つの計9種類を習得している。


 その中でスキルブックで入手したのは、ボルケーノストライクとアースウォールだ。


 ちなみに魔法はその人の想像と魔法コントロールで変化するが、概ね覚えているスキルが発動する。


 その例として穴を塞いだのはアースクエイクという、地面を揺らす魔法で穴の周囲の土を繰り寄せて穴を塞いでいた。


「キラーアントに効いた魔法はどれになる?」


「今のところは火属性魔法のファイヤーボールと体の繋ぎ目であればウォーターカッターが使えます」


 戦力になる魔法は2種類しかない。あとは基本的に直接キラーアントにダメージを与えることが難しいらしい。


「俺は魔刀の鋸とプラントの種しか今のところ使えそうなのはないか」


 プラントの種はキラーアントの巣で手に入れた種だが、何が起こるかわからないびっくり種だ。


 その他に????(・・・・)の種と名前が不明な種もあるが、プラントの種とラフレアーの種のせいで確認できないでいる。


 プラントの種のより攻撃性が強く、自制が効かない種類なら自滅するかもしれない。


「クイーンアントって3mぐらいの敵なんですよね?」


「ダンジョンの声はそうやって言ってたね」


「それぐらいの大きさならどうにか倒せませんか? 大きいから狙いやすいですよね」


 キラーアントをそのまま大きくした敵であれば特に問題はないだろう。ただ、それ以外の能力があれば太刀打ちできない恐れがあった。


「なぜか胸騒ぎが収まらなくてな」


「胸騒ぎですか?」


「ああ、この前おばさんが言ってた言葉が妙に引っかかって頭から離れないんだ」


 俺は気になっていることを桃乃に伝えた。何もないとは言えば嘘になるし、何かが起こる可能性もある。


 また言った矢先にフラグが立ったって言われる前に伝えておこうと思ったのだ。


「そういえば中に入っていない巣を1つ埋めちゃいました」


 どうやら桃乃は俺と分かれて探索している時に穴を一つ埋めたらしい。


「ひょっとしたらそこにクイーンキラーアントがいないか?」


「私勝手なことしましたね」


 俺の言葉に桃乃は落ち込んでいた。特に責めるつもりもない。


「あの時は疲れていたから、冷静になれてよかったよ。あのままダンジョンに潜って強敵が出てきたらどうなっていたかわからないしな」


 あの時点で桃乃のMPも減り、疲労も溜まっている。宝箱から手に入るアイテムで冷静さも失ってきたのは確かだ。


「もしクイーンキラーアントが出たらどうする?」


「先輩が牽制しながら、私の新しいスキルボルケーノストライクを試すのはどうですか?」


 基本的に俺が倒すか、桃乃が隙をついて倒すしか方法はない。ただ、ボルケーノストライクがどういうスキルかもわからない。


「調べたら名前からして、ボルケーノが火山とか噴火口って意味らしいですし、上級魔法だから威力も強いと思います」


 それは間違いないだろう。問題なのはその魔法自体が当たるかわからないことだ。


 範囲が狭い魔法、もしくは範囲が広過ぎて巻き込む恐れもある。


 足が速いキラーアントもいるため、逃げられてしまえば魔法の無駄撃ちになってしまう。


「んー、それだけだと心許ないよな」


「なら、先輩がプラントの種を使って捕縛するのはどうですか?」


 桃乃が考えたのは、まずはボス部屋が広いため、クイーンキラーアントを牽制しながらプラントの種を撒き、近づいたタイミングで木属性魔法を発動させることだ。


 部屋が狭くなるように蔓が伸びれば、そこに向けてボルケーノストライクを発動させられるし、そのまま捕縛することもできる。


「作戦名はももちゃん――」


「それっていりますか?」


 作戦名を発表しようとした瞬間、桃乃に止められてしまった。せっかく良い名前を思いついたのに……。


「作戦名は"慧の束縛に桃乃の愛の炎で溶かしつくす"でどうでしょうか」


「なんかどっかの昼ドラか韓ドラみたいだな」


 ドヤ顔をしているが桃乃の作戦名はどこかで聞いたことありそうなネーミングだった。


 桃乃なりにリラックスさせるつもりだったのだろう。おかずを食べ終えると、俺達は解散することにした。


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