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庭にできた異世界で丸儲け。社畜をやめたい俺が、気づいたらスキルで現実でも成り上がっていた  作者: k-ing☆書籍発売中
第一区画

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69.ボス部屋といえば……あれでしょ!

 俺は突然のアナウンスに驚いた。まだ討伐(・・)対象のクイーンキラーアントを倒していないのだ。そもそも会った記憶もない。


「倒していないのにクリアなのか?」


「ボスの部屋まで行ったらクリア扱いですかね?」


 桃乃も俺と同じ疑問を抱いていた。俺は異世界ダンジョンを管理をしている何者かに声をかけてみる。


 前回も一度だけ答えてくれたため、今回もひょっとしたら返ってくるかもしれない。


「おーい、これでクリアなのか?」


「……」


 やはり何も返事はなかった。


 そして、桃乃からの視線が痛かった。俺のことを変な薬物をやっているのではないかと感じるような視線で見るのはやめてくれ。


 先輩の心はガラスで出来ているからすぐに砕けてしまう。


「クリアです」


 しばらくすると微かな声で聞こえてきた。俺はやってみれば何かしらアナウンスも反応してくれると思っている。


「ももちゃんクリアらしいよ」


 俺は桃乃を見ると満面な笑みで微笑んでいた。どうやら桃乃にも聞こえていたようだ。


 それにしてもアナウンスの声ってあんなに直接耳から聞こえる声だったのか?


「先輩が単純(・・)な人で良かった」


「えっ? なんか言ったか?」


「いえ、何も言ってないですよ?」


 桃乃の声が小さくて聞こえづらかったが、本人が何も言っていないのであれば空耳なんだろう。


 若干イラッとする単語も聞こえたが何も聞こえていない。聞いていないことにしよう。


「じゃあ、戻……あそこに()があるぞ」


 奥の方に目を向けると、まさかの穴が存在していた。


 来た道はしっかりと記録されているため、俺達はその穴に入ることにした。毎回穴に入っているが何かの動物になった気分だ。


「よし、行こうか」


 俺達は穴に入りしばらく歩くと見慣れた景色が広がっていた。


「ここって入り口か?」


「そうみたいですね」


 立っていたのは穴の入り口がある湖の前だった。後ろを確認すると穴はそのまま存在している。


 小説とかにもダンジョンにはセーブ機能があり、すぐに入り口に戻れる仕組みがあると書いてあったが、それが今通って来た穴なんだろう。


「これって埋める方がいいのか?」


「キラーアントが戻って来ることを考えると埋めるべきですね。ドリアードさんの依頼では住むところを取り返して欲しいってことですよね?」


 桃乃の言うことは一理ある。穴を埋めてキラーアントの住処を減らすことに意味があるのだろう。


 桃乃が呪文を唱えると、周囲の土が集まり穴を塞ぐ。やはり下級魔法でも使う人によって、工夫方法は変わるのだろう。


 一応これで本来のクエストは終わっているが、ドリアードの特別クエストはまだ終わっていない。


「まだ時間はあるけどどうする?」


 俺としては特別クエストを終えたいが、桃乃のMPと相談だ。


「私はまだ大丈夫ですけど、スキルブックが穴の数だけあるって思うと行かないともったいないですよね?」


 桃乃は近くにある他の穴を見ていた。ひょっとしたら一つずつにスキルブックが有れば、本来は投資で得られるスキルより効率よくスキルを得ることができる。


「ももちゃんが大丈夫なら回ろうか」


 俺達はしらみ潰しに穴の探索をすることにした。





 入った瞬間はどこも異世界ダンジョン"豊満の殺戮"となっており、討伐ボスはクイーンキラーアントだ。


「ここにもいないな」


「もう全て回りましたね」


 俺達は最後の穴を攻略したが、どこにもクイーンキラーアントはいなかった。


 10箇所近くは回ったが特に得られるものはなく、スキルブックよりアイテムを手に入れることが多かった。


 その中でも使える武器が宝箱から出てきた。


――ヘルメスの杖


 名前からして有名な神の杖だった。ヘルメスとはギリシャ神話に出てくる一二神の一人だった気がする。


 神の名前が付くぐらいだから、それ相当の強さもあるだろう。


 それにしても桃乃の武器やアイテムばかりだ。


 俺が杖を持ってもただの木の棒扱いなのだ。俺はアイテムとして保存されるのに、桃乃は武器として保存されるらしい。


 一種の鈍器としては使えるかもしれないが、俺に装備できないのなら俺がもらっても仕方ない。


 しかも、宝箱から出てきた瞬間にキラキラした目で見られたら、先輩として後輩に渡すしかないだろう。


 むしろ俺が使える武器やアイテムが変わった物が多いから一生出会えない気がしてきた。


 そのかわり俺が貰ったのは回復ハイポーションと????の実だ。


 わけわからない実は食べることもなく、そのまま袋の中に入れておくことにした。


 種と一緒で名前のわからない実って聞くだけで、何が起こるかわからないものを食べるわけにはいかない。


 トレントなら名前は表示されるが、出てこないということは知らない魔物の実なんだろう。


「クイーンキラーアントもいないし、これだけキラーアントを倒せばドリアードの特別依頼も終わりかな?」


「きっとそうじゃないですか?」


 どこまで倒せばいいのかもわからない俺達は辺りを歩いているとまた穴をみつけた。


「ここにクイーンキラーアントがいるんじゃないですかね?」


 最後の頼み綱として俺達は穴の中に入るといつものアナウンスが聞こえてきた。


【キラーアント討伐お疲れ様でした。今回の報酬を計算します】


 それは異世界ダンジョンに入った時のアナウンスではなく、庭にできた異世界に来た時のデジタル音声のアナウンスだった。


ブックマーク、⭐︎評価よろしくお願いいたします。

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