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白雲の こなたかなたに 立ち別れ
友の東へまかりける時によめる
良岑秀崇
白雲の こなたかなたに 立ち別れ 心をぬさと くだく旅かな
(巻第八離別歌379)
※ぬさ:旅の無事を祈り神に奉る幣帛。細かく切った布を撒く儀礼があったらしい。
友人が東国に下る時に詠んだ。
白雲が、こちらと、あちらに分かれるように、貴方は旅立つのです。
貴方のこれからの旅は、私の心を、この幣のように裂いてしまうのです。
貴方が旅立つことにより、自分の心は寂しく、切り裂かれるようだと、切々と別れの悲しみを詠う名歌と思う。
良岑秀崇は生没年不詳。
古今和歌集に採られているのはこの一首のみ。




