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雲ゐにも かよふ心の おくれねば
あひ知りて侍りける人の 東のほうへまかりけるを送るとて詠まむ
清原深養父
雲ゐにも かよふ心の おくれねば わかると人に 見ゆばかりなり
(巻第八離別歌378)
交友関係があった人が、東国に下ることになり、その送別の歌を詠んだ。
遥か雲のかなたまで、心はあなたと通い合い、離れることはありません。
ただ、外面的に、身体が離れて行くだけなのです。
典型的な送別歌。
清原深養父は、生没年不詳。清少納言の曽祖父とされている。
古今和歌集に十七首の歌が採られている。




