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夕月夜 さすやをかべの 松の葉の
よみびとしらず
夕月夜 さすやをかべの 松の葉の いつともわかぬ 恋もするかな
(巻第十一恋歌一490)
※夕月夜:夕方の月。のことを指す
※をかべ: 岡のあたり。
夕方の月がさし照らしている岡の松の葉と同じように、いつまでともわからない、恋をしております。
松は常緑なのでいつまでも変化がないということ。
その葉は、根元のところでつながり、2本一緒になっているので、ほぼ永遠の恋愛。
枯れて地に落ちても、離れないから、あの世でも来世でも恋し続けるのかもしれない。




