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かぎりなき 雲ゐのよそに わかるとも
よみびとしらず
かぎりなき 雲ゐのよそに わかるとも 人を心に おくらさむやは
(巻第八離別歌367)
あの空の雲を越えて、果てしなく遠い場所へと別れるとしても、貴方のお心を置き去りにすることなど、考えてもいないのです。
送別者に対しての返歌だろうか。
逢えない場所に行くけれど、今までのことを忘れることもなく、送ってくれるあなたの心も、しっかりと私の心に残っているし、捨て去るようなことはいたしません。
こんな歌を送別会で詠めれば、なかなかのもの。