23/289
いつはとは 時はわかねど 秋の夜ぞ
是貞親王の家の歌合の歌
よみびとしらず
いつはとは 時はわかねど 秋の夜ぞ 物思ふことの かぎりなりける
(巻第四秋歌上189)
いつまでとか、時間などわからないけれど、とにかく秋の夜というものは、この上なく物思いに沈んでしまうのです。
秋の夜は長く、月や星が美しい。
それを眺め続けながらの物思いなので、いつまでとか、時間など忘れてしまう。
是貞親王は光孝天皇の第二皇子で、宇多天皇の兄。この歌合は寛平四年(892)九月と想定されている。この歌合から古今和歌集に二十三首採られている。




