174/289
野辺ちかく いへゐしせれば うぐひすの
よみびとしらず
野辺ちかく いへゐしせれば うぐひすの なくなるこゑは あさなあさなきく
(巻第一春歌上16)
人里離れた野辺に住んでおりますので、ウグイスの鳴き声は、毎朝聞いております。
都に住む人は、ウグイスが飛んで来ない、鳴き声が聞こえないと寂しがるようですが、私のような田舎住まいですと、毎朝ウグイスを見ますし、鳴き声も聞いております、との自慢だろうか。
野辺に住む女性が、ウグイスの声を理由にして、男君を誘っているのかもしれない。




