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世の中は 何か常なる 飛鳥川
よみびとしらず
世の中は 何か常なる 飛鳥川 昨日の淵ぞ 今日は瀬になる
(巻第十八雑歌下933)
※飛鳥川:奈良県高市郡明日香村を流れる川。
世の中は、何が変わらないものとしてあるのでしょうか。
飛鳥川のように、昨日の淵が、今日は瀬になることばかりなのです。
世間の有為転変、無常を詠う。
流れの速い飛鳥川は日々姿を変える。
昨日は淵で今日は瀬、明日はどうなるかわからない。
この歌から、飛鳥川や、渕瀬は、無常をあらわす典型となった。