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天雲の よそにも人の なりゆくか
業平朝臣、紀有常が娘に住みけるを、うらむることありて、昼は来て夕さりは帰りのみしければ よみてつかはしける
紀有常女
天雲の よそにも人の なりゆくか さすがに目には 見ゆるものから
(巻第十五恋歌五784)
業平朝臣が、紀有常の娘と暮らしていた時に、気に入らないことがあって、昼に来て夕方には帰ってしまうようなことをしていたので、詠んで送った。
空の雲が遠く離れていってしまようなことが、人にもあるのですね。
それでも、姿だけは目にするのですけれど。
普通は、夕方に来て、朝に帰るのが普通。
しかし、どんな事情かは不明であるけれど、業平は妻の意に背くようなことをしてしまう。
妻からすれば、「浮気でもしているの?」と文句や皮肉の一つでも言いたい、そんなところだろうか。




