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BLAST!!  作者: OZMN
1/8

ファントム

学生の頃に、思い付いたお語です。

とにかく、簡潔に、小気味良くを念頭に書き下ろしました。

一人でも多くの人に読んで貰えたなら、感激の極みです。




”ファントム”


それは幻影を意味する言葉。


しかし、本来のその言葉の意味など、日常生活の上では何の意味も持たないものだ。



最初に”ファントム”が出現したのは、水深1000メートルの深海だった。


巨大イカの観測に来ていた潜水艇が発見したらしい。


その”ファントム”は、光る核を持つ、巨大なウツボのような姿をしていた。


観測チームは潜水艇ごと消失。


捜索隊により回収された記録媒体から、”ファントム”の存在は確認された。


この事件を皮切りに、”ファントム”は世界各地に姿を現すようになった。


ある時は、上空に、羽のついた形で、ある時は、砂丘の中に、尾ひれのついた形で、ある時は、都市の真っただ中に、節足動物様の姿で、出現、もとい、発生した。


”ファントム”は人類に対して、異常なまでの敵意を持っていた。


土地や建造物を破壊し、逃げ惑う人々を、取って噛み砕いた。


”ファントム”が生物兵器や巨大生命体ではなく、災害と認定されたのには、大きな理由があった。


”ファントム”は地球上の生物とは大きくかけ離れた特性を持っていた。


砲撃や空爆を用いても、その外皮にすら傷をつけることは叶わず、多くの軍事攻撃を無効化したのだ。


これにより、政府は”ファントム”への攻撃を諦め、人類補完計画を推し進めた。


…だが、それは、殺し方の確立されていない、当時の話だ。


多くの試行錯誤と研究の末に、”ファントム”の脅威は滞った。


それは、適性を持った人間による駆逐に他ならなかった。


世界中の人間の細胞が調べられ、政府は、”ファントム”に対抗する特殊部隊”バスター”を設立。


”バスター”に選ばれた者は、生活面での様々な優遇を受ける代わりに、”ファントム”が発生した際には、なによりも優先して、その排除、鎮静化に努めなければならなかった。



それが、選ばれた人間である”バスター”の産まれながらにしての義務であり、使命であると言えるだろう。


少なくとも、それ以外の一般の市民は、そうであると、当然のように思っていた。



自分の血の色を受け入れるように…。





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