6/11
06 風の鳥
居場所がほしかった たとえそれが籠の中の
閉じられた世界でも
空に憧れ 雲を羨み 風のように自由になりたいと願った
自由を知れば誰もが死にたくなると
籠の中の住人の誰かが言ってた
それは本当だろうか
触れることができない
遥かな果てに 手を伸ばしても届かない
羨むことさえ苦痛だったのに
これ以上願い続ければ
飛び立つための羽根さえ傷つけてしまいそう
籠からでる勇気がなかった
鍵は壊すことができた
空ははばたくものを受け入れてくれるだろうか
雲は並び立つことを許してくれるだろうか
鳥は空を飛ぶものなどと そんな当たり前を叶えてもいいのだろうか