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閑話 奴らと彼らと彼女ら

次の投稿は未定です。

文化的な違いも書きました。


すいません。最後の部分を書き直しました。

ナガリが瀕死であると言うことだけです。

 くーすかと寝息を立てる音が。

 扉を閉めようとしていたメルに聞こえた。

 なかなか寝付けない子の為にメルはしばらく話をして。

 今……まさに眠った状態であった。


「……こどもたちも寝ましたし、そろそろイナバと話しますか」


 そう言ってメルは教会の暗がりを蝋燭と月明かりを頼りに進んだ。

 ここグラム教国はメルの住んでいた国……リニエスタ王国と違って月の色が青色だった。

 前にも書いたようにこれは大気中に有る魔力が反応して起こる大気光学現象の一つ。

 現象であり特に理由も無いそれだが。


「青の月はアムビエル様の月……でしたっけ?」


 リニエスタ王国は王紀……天使と言う存在、言葉に対して信仰しているが。

 グラム教国は天使に名前を付けて複数の天使たちを崇拝している。

 違う言い方をするならばリニエスタ王国は一神教でグラム教国は多神教……と言えるだろう。

 ともあれ同じ天使崇拝と言うこともあり宗教的な衝突は存在しない。


「ふふふ、面白いですね。こんなに長く同盟を結んでいて、こんなに違う国だったとは……」


 他にもリニエスタ王国は武を尊重する者が多く、スポーツは武に関するもの。

 逆にグラム教国は天使、美を尊重するので、体操……と言った美に関するスポーツが人気だ。

 テクテクとメルは歩き、壁に掛けてある絵を通り見る。


「リニエスタ王国は王を賛美する絵が中心ですが、ここグラム教国は天使をモチーフにした美女が多いですね」


 そう言った文化の違いをメルは独り言で……楽しむように呟く。

 初めての海外に彼女は浮かれ、呟いたのだ。

 青い月光が深夜のメルを照らす。

 陽気に歩いていた足はピタリと止まる。

 書庫と言うにはいささか本が足りないのは確かだが。

 雰囲気的には……昔の名残を見るならば書庫と表現されるだろう。

 ギギと扉が開き、零れる光源は赤い火。

 蝋燭のそれはテーブルの中央に一つだけだ。


「夜遅くにすいません。イナバちゃん」

「むにゃむにゃ……。大丈夫です……メル様」


 目を擦り、ウトウトと相槌を打つイナバにメルは少し笑う。

 けれども今はそんなイナバを愛でるつもりで呼んだわけではない。

 何とか眠気に抗ったイナバがゆっくりと口を開く。


「……ベガ様……カトリーナの情報で、灰蝕病に関する重大な報告があります」

「重大な報告?」

「はいメル様。……カトリーナは灰蝕病の病原とその特効薬を見つけたそうで――」




 ジーンは現在、メルのいる孤児院をこっそりと抜け出して一人。

 深夜の酒場に入っていった。

 喧騒はいつもの通り、だけど血の匂いは薄い。

 フードを被り怪しい風貌のジーンだが。

 彼らは大して反応を示さず、ジーンを見送った。

 カウンターに座り辺りを見渡したジーンは店主に話しかける。


「今日はやけに平和だな……」

「そうですなぁ。この前は〈ニーズヘッグ〉の連中が来ていたせいで、人身ごとが多かった……ですからね」


 昔を懐かしむように店主は頬の傷をかく。

 よく見れば店のあちこちに傷があり喧嘩……と言うよりも戦闘の跡がある。

 今も領主不在のこの街は。

 治安悪化が酷く、無法地帯と言っても過言では無かった。だから酒の絡む店は軒並み喧騒に満ちていた。

 しかし。


「この異常は一体何が原因だ?」


 そう尋ねたジーンは店主の男がカウンターを人差し指でトントンと叩いていたことに気付く。

 ありきたりな合図で、さしずめ催促。


「……はぁ、エールを一つ」

「まいど」


 笑った店主は後ろにある酒樽からエールを注ぐ。

 冷却はされておらず、味も今一なそれだが。

 それがこの店一番の売りだ。エールを飲み、情報は有料だとエールの苦みが伝える。


「それで……ああ、そうですね。治安がなぜ良いのかと言うと、ここら一帯にいた〈ニーズヘッグ〉の手下どもが逃げたからですよ」

「……」

「具体的な情報に関しては――唐揚げを頼んでくれたら思い出すかもしれんな」


 口をヘの字に曲げ、ジーンは金を支払う。

 チャリンとカウンターに散らばった銀貨を見て店主は機嫌を良くして。

 すぐさま店の奥にいる従業員に注文を伝える。


「〈ニーズヘッグ〉の手配書は知っていますか? どうもここ最近勢力を拡大しているシマがありましてね……」

「知っている。あそこにある教会だろう?」


 ピュウと店主は口笛を吹く。


「だったら話しが早い。あそこは安いお布施で聖術を施してくれる有名な教会だ。あそこを中心に人が集まって旗を立てている」

「冒険者の往来もあるし、孤児も集まる……。納得できるけど――」


 そう呟いたジーンはエールを一口飲む。

 グビリと小さく音を鳴らして、置いた時には唐揚げが出ていた。


「誰が〈ニーズヘッグ〉のシマを荒らしているのか? でしょう? 一説にはあのもう一人の懸賞金首、イナバって子が荒らしているって噂ですがね」

「違うのか?」

「一説……ですからね。何せあの子はメルって子の用心棒。わざわざ主を置いてシマを荒らす必要がありますかね? と言うわけで私はもう一つの説を唱えているんですよ……。即ち、“黒の魔物 ベガ”」


 ピクリとジーンは反応した。

 それは正しく直感的な動きで確証は無いからだ。

 しかし。


「黒……か」

「おや、心当たりがあるようで?」

「つい最近、そう言ったナリの奴を見たからな。連想をしただけで聞いたわけじゃない」

「そうですか……。ちなみにそいつは召喚術と死霊術を使う女、子供で赤と黒の服を着ているそうなんですが――」


 ガタンとジーンは立ち上がった。

 それは切羽詰まった雰囲気で、脂汗を浮かべているのが分かる。

 チラリと、店主が横目で伺う。


「――何かしら因縁があるようですね。私としては貴方の腰に差してある剣……についても気になるのですが」

「何だよ……。お見通しなのかよ。まあ、語ってやってもいいんだが……」


 ピーンと銀貨を弾きキャッチする。


「お代の半額とお前の知っている全ての情報でチャラにしてやるぜ」

「……高すぎませんかね?」

「俺は“魔剣”についての情報も流すってんだ。お前は情報屋で敵に話が流れると考えると……妥当なところじゃないか?」

「……食えませんね。いや、食いませんね」


 苦く笑った店主は唐揚げが、未だ手に付けられていないことを知る。

 悩み、考え。

 喧騒がやけに遠く成った頃。


「……分かりました。貴方の申し出を受けましょう。ただし、こちらは“魔剣”についての情報秘匿の代わりにお代はそのまま貰います」

「……」


 その言葉を聞いてジーンは店の奥……防音の個室に向かおうとしたが。


「まあ、待ってください」

「?」

「せっかく頼んだんです。一口食べてみてはいかがでしょうか?」

「……」


 ジーンは無言で皿を凝視した。

 ジーンは食に関する知識に疎く、また肉と言うものに関して期待をしていなかった。

 それは正しく悪列な環境で食べていたせいで、肉と言うものは“不味い物”という認識があったから。

 恐る恐る手を伸ばして口に入れたジーンは。


「!」

「旨いでしょう? これはこの店一番のお勧めなんですから」


 そう言う店主はジーンの顔がほころび、一枚の皿にのせてある唐揚げが無くなっていくのを見る。また来ること間違いなしの顔で。

 店主は、ほくそ笑む。

 彼の方が一枚上手であったのだ。




「はぁはぁ!」


 薄暗い森の中。

 ナガリの呼吸だけが確かに響き走る。

 あちらこちらにある鎧の傷は、断じて枝や葉によるものでは無くて。

 槍……によるものだ。

 爆撃が前方に起こり、足元に氷――黒氷が広がる。

 墨で塗ったように輝くそれに。

 目が行かなかったのはこれが敵からの攻撃であることを知っているから。

 即ち。


「何処にいくもりだ?」


 黒い長髪に黒の鎧。

 長髪は殺意を滾らせた左目を隠す。

 ブンと一振りして、神器から冷気が放たれ白い息を吐き出す。

 彼女はエインヘリヤルの一役。

 名を。


「エルス・ラファエル・ホワイト……!」


 後去るナガリ。

 黒く辺りに霧が立ち込める。

 辺り一帯を覆うそれは自然の現象では断じてない。


 それから数日後のことだ。

 メルの元に“重傷を負ったナガリ”が尋ねた。



酒場の描写は好きなのですが。

なぜ、なろうでは情報屋としての側面を描かないのだろうと疑問を覚えます。

文化の描写は……う~ん。

まだ書きたい。でもテンポが悪くなるので書きません。

エフェクトも派手な物を考えなければいけません。ああ、やることが沢山ある。

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