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オレたちが来た世界は、未来の終わりを知っている。  作者: kazuha
〜第11章〜〈はじまりは勇者の導き〉
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諦めない




 大いなる闇は燭台を異次元へ隠し、華美な炎は闇を照らし行く先を示した。



「一度下がるんじゃい」



 動けない2人を投げ背負うキメラ体はかめ吉の指示通りにその場から離れる。



「あ、……ありがとう」

「仕方ないんじゃい。あんな見たことも無い魔法を使ったのに、アイツは平気と破った。アイツが異常なんじゃい」



 背中で落ち込む彼女は自身の敗北に、今までは敵だったあの男に、結末を委ねなければならないことに失望した。

 身体は動かない。魔力なんて使い果たした。おまけに槇なんて呼吸さえ聞こえない。

 こんな中で無理をして動いても無駄で邪魔に違いなかった。



 降ろされた場所は中央の舞台から降りた場所であった。



「今、傷を治すから待ってるんじゃい」

「いいよ、そんなことしなくても」



 悲しみに暮れた表情。まさに世界の終わりを見たかのような顔に、かめ吉は一瞬戸惑う。しかしそのわがままを拒否して致命傷になっている場所を治していく。



「バカじゃい。お前さん方はなんでこの場所にいるんじゃい。元の世界に戻るためか? 復讐か? 違うじゃろ!」



 強い口調のかめ吉にかおりは唇を噛む。泣くのを必死にこらえようとその力をどんどん強めていく。



「訳もわからず、こんな辺鄙な世界に連れてこられて、小説のようなチート地味た能力なんてもらえず、それでもこんなに頑張って来たのはなんの為じゃい。お前さんたちの為に死んでいった者たちは、お前さんたちに見た未来はなんじゃい。なんの為に、強くなってこの場所に来たんじゃい!」



 かおりは地面に顔を埋めた。



「もう……ずっと思ってたこと言わないでよ。ずっと辛かったんだよ。ずっと苦しかったんだよ。それでも、こんな世界1つ守れないほど、小さいんだよ。元の世界と一緒で、なんにもなれないで老いてく、そんな人だったんだよ」



 かおりの言葉に耳だけ傾け、返事をしないかめ吉は槇の傷を見る。



「こりゃ、やばいんじゃい。少し時間がかかるんじゃい」



 そう告げてかおりに視線を送った。



「やることはあるんじゃい。わかっておるじゃろ。わしは治療に専念するゆえに」

「やればいいんでしょ。悪魔の召喚は石を反対に置けば成立するんだもんね。それを戻せば……」

「そうじゃい。運が良かったのか、最後の場所は起点の緋の石じゃい。他のものを全く反対におくんじゃい」

「わかった」



 まだ痛みの残る身体を起こす。



「ちょっと。まだ痛いじゃない」

「文句言うんじゃないんじゃい。時間がないんじゃい」

「わかったわよ」



 かおりはキメラ体に飛び乗る。



「お願いね。なるべく早く」



 そう伝えると、キメラは大きく叫び、大きな羽を広げた。



「悪あがきだってなんだってやってやる。もう、諦めないんだから!」



 かおりは涙を拭いた。もう、何も失わないために。





『どんなに小さなことでも、変化は起こる。それは当たり前の事象。ボクが出れば話は少なからず変わるだろうけれど、それ以外は、きっと起承転結内の誤差。結論的に言えば、物語なんて誰かが割り込んでも、変わらないってことさ』

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