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オレたちが来た世界は、未来の終わりを知っている。  作者: kazuha
〜第11章〜〈はじまりは勇者の導き〉
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最後の作戦



 天凱の中央。


 中央と言われる石で造りあげられている巨大な舞踏場のような場所。

 東の方角の天の鐘が大きな翼を羽ばたかせ、西の方角の地の鐘は全てを支えていた。

 それ以外はなにもなく、ただ見晴らしのいい場所であった。




━━━━讃夜━━━━




 その場に降り立った2人は武器を構え周囲に警戒した。

 絶対にあの男はいる。


 そんな時に天の鐘が大きく響く。



「五宝珠の1つがはめられた音だぜ」



 かめ吉が遠巻きに言うと2人は焦った。



「ねえ、早く止めないと」

「んなことわかってる」



 姿のないその男を探すのは非常に難しい話であった。

 この場所は非常に広い。1箇所の燭台から他の燭台の位置がまるで見えないのだ。



「くそ……」



目をこらせど暗闇。そんな状態で今度は地の鐘が地響きを起こした。



「2つめじゃい」

「わかってるっつうの!!」



 考えを巡らせる。しかしどれも効率的ではなかった。失敗すれば探し当てる前に5つ全て収められる。



「ってかここで待ってればいいんじゃない?」

「……は?」



 その考えに納得のできない槇は声を荒げた。



「いやだってさ、ここには絶対にくるじゃない」



 目の前にあった燭台を指差して言う。



「まぁ、そうか」



 馬鹿みたいだ。自分を卑下し頭を横にふった。



「なら、どうすればいいか、考えようぜ」

「そうね。まともにやりあっても勝てそうにないものね」



 お互い試行錯誤しながら周辺を眺める。

 そんな時にかおりは思った。



「あれ? 狐は?」

「……」

「遺跡あたりから見てないよね」

「いいだろ、あんな奴。重要な時にいなくなるんだからよ」

「そうだけど……」



 天の鐘が鳴り響いた。



 キメラ体は恐怖に煽られるように威嚇する。

 間違いなく、こっちに近づいている。



「それしかねぁな」

「一か八かだけど」



 2人は強く頷いた。

 最後の作戦。




『やっぱりボクが出なきゃダメみたいだね。何度やっても、君たちが来てもさほど変わらなかった。それを忌むべきか呪うべきかは、本当に最後の一瞬なのかも知れないね』



 暗闇で動いたその影は静かにその場所へと向かっていった。


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