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オレたちが来た世界は、未来の終わりを知っている。  作者: kazuha
〜第5章〜〈人魚姫の微笑み〉
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『瑠璃色の記憶は消え去りし日々』



 帽子の男は歩みを止めた。

 巨大な空間に生える1本の巨大な柱。それを辿ると光が粒となって降り注ぐ。

 その彼方先には色鮮やかなステンドグラスが彼を迎え入れた。


 地震か地響きか区別がつかない揺れに男は目だけを左へ向ける。



「ゴーレムか」



 巨大な魔法陣から現れる巨大な石の傀儡。

 

 男は背中から大剣を抜き、構える。



「おい、黒騎士! 出てこいよ。こんなバカデカイの動かせんのお前ぐらいだろ。」



 広い空間に響いた声に返事をするものはいなかった。



「っけ。つれねぇな」




 ゴーレムは帽子の男目掛けて動き出す。

 巨体からは想像もできないほどのスピード。

 旅人ではそれに驚き、回避行動さえ遅れる。


 しかし、男は違った。

 たった一振りてゴーレムを砕いたのだ。



「おい。出てこないと倒せねーぜ。こんなつまらないやつに任せてたらよ」

「黙っていなさい」



 男の足が地面とともに凍りついた。

 予想もしていなかったことに身動きを封じられた。



「今、捕まえてあげる」



 ゴーレムの影からその者の姿が現れた。

 リーフグリーンの髪は三つ編みで束ねられ、鋭く光るステンレスのメガネの奥に光るスカイブルーの瞳。

 そして、凍てつく波動を放つ、三刃の槍。


 メリーはその姿を見せた。



「メリー……!!」

「あら私でがっかりかしら?」

「……そんなことねぇよ」



 ニヤリと笑う彼を見て、舌打ちする。



「なぜ今更なの? 今更またなんで宝珠を集めるの? それにあの子達がそこまで必要? ただの子たちじゃない。あんな子たちを私たちのいざこざに巻き込む必要はないはずだわ。彼女はそんなこと望んでいない」



 冷静に紡がれる言葉に奥歯を噛み締める。



「黙れ、お前になにがわかる!」

「わかるわよ。仲間だもの」

「わかるわけがねぇだろ! 腐った軍人の仲間入りしたお前が! はぁ……、その腐った精神、潰してやる。」



 男は激しく燃え上がった。

 凍てついた空間が一気にヒートアップし、まるでマグマの噴火口のそばにいるのではないかと錯覚させる。


 炎が弾けると、男の大剣が紅く光る日本刀と姿を変えた。

 


「いい加減に、目を覚ましなさい!」



 メリーはその身に氷の鎧をまとわせ、槍を構える。


 お互いの一振りで空間が裂けた。

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