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オレたちが来た世界は、未来の終わりを知っている。  作者: kazuha
〜第11章〜〈はじまりは勇者の導き〉
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決死


 ペガサスと共に3人は浮き上がると、その先にはキメラとかめ吉がいた。



「力貸してくれるのか」

「何言っとるんじゃい。世界が終わるよりはマシじゃい」



 愼はかめ吉にまたがり、かおりはキメラにまたがる。



「ありがとな」

「お前さんに感謝されると虫唾が走るんじゃい」

「うるせぇ」



 先行したのは愼。宙に浮く岩たちを華麗に避けながら、触手に近づいていく。



「康貴。あのね」

「ん?」



 かおりはキメラの背に立ち、あふれる魔力を七色の翼に変えた。



「あの時みたいに後悔しないから。出し惜しみしないから」

「出し惜しみしてたの!? まぁ、本気ならそれでいいや」



 次に進もうとしたのは康貴。かかとでペガサスをければ、大きく高鳴りを上げる。



「でもね。死ぬのは許さないから」

「……笑えないジョーク」

「いくね」



 電光石火で触手に向かっていく。


 そして、かおりは目をつむった。



「もし、あの3人が手を組んだらなんて思ってたけど、私にもあの力があるのよね」



 両手を広げ、大きく息を吸った。


 混沌を止めるような謌を奏でるために。



「おいおい」



「なにこれ」



「もう、逃げない」



 かおりは飛んでキメラに座る。それに反応してキメラは触手に向かっていく。



 時空が割れる。



 それはかおりにとって大きな誤算だった。



「う、そ……!」



 かおりのすぐそこで大きく口を開けるそれは、誰も知ることなく静かにかおりを飲み込もうとした。

 嫌だと思うよりも、もっともっと先に、この世の崩壊は訪れた。




『それを止めるのが仕事だろ。何ずっと眠ってるんだ? ボクだって起きたんだ。まだ眠りが浅い君たちなら、救えるだろ?』

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