表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オレたちが来た世界は、未来の終わりを知っている。  作者: kazuha
〜第11章〜〈はじまりは勇者の導き〉
102/115

あの化身


 悪あがき。

 今までずっとやってきたこと。いまさらなんてことない。



「さて、あんたはおとなしくしてなさい!!」



 かおりは槍を振る。すると化身のいた場所が氷に覆われる。しかし、もとは最強の勇者。容易に避けらる。

 それを隙きとばかりに、リオイオの方向へ走る。



 それを邪魔するのは1体だけではない。無数に現れた化身たちがかおりの行く手を阻む。

 片手を銃に切り替え、魔法で蹴散らしていく。進めど進めど増えていく化身にとうとう足が止まった。



「多い……、くっ!!」



 強い魔力を感じて槍を大きく後ろに降るとあの化身の剣とぶち当たった。



「イカセナイ!」

「だ、か、ら!!」



 弾き飛ばして地面を強く踏むと、かおりを中心に爆発した。

 あたりの化身を一網打尽にし、先を急ごうとする。



「……なんで!」



 あの化身が邪魔をする。まるで、不死身の傀儡の様に。



「イカセナイ」

「こんなところで止まってる暇ないの!」



 銃口を向ける。そこに最大限の魔力を込める。



「お願いだから消えて!」



 トリガーを引く。銃口から出されたビームはあの化身を飲み込み、その先の道さえも作った。




「……よし。……っ!!!」



 あの化身はそこにいた。



「なんで……」



 狂気の叫び。もはやそれに怯えさえ感じるかおり。

 あの化身がまっすぐ突っ込んできたのも反応出来なかった。

 鋭利な刃物が首にかかった。



 それが金属音で止まったのは何度もあることではない。



「この、クソ野郎。リベンジだ!」

「……槇!!」



 炎の剣同士が交りあい、文字通り火花を散らせていた。



「かおり、こいつはオレが引き受ける。あの化物なんとかしてくれ」

「わかった!」



 かおりはまっすぐ走る。

 それを阻止しようと動いたあの化身に刃を振るった。



「おい、聞いてなかったのかよ。テメェの相手はオレだ」



 化身は振り返った。

 燃えるような深紅の瞳はお互い似ていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ