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第38話

いつも読んで下さりありがとうございます。

今話はグロいと感じる部分があるかもしれませんご注意ください。

 時は少し遡る。


 フレイとリューイと別れたオズは、口笛を吹きながら王国軍と帝国軍の両軍が激しくぶつかり合う場所を目指して歩いていた。


 ただ口笛を吹くだけなら敵に自分の居場所を教えることになるが、オズはそのデメリットよりも口笛による敵陣地を探る探査魔術を優先させた。


 その中でふと敵である、帝国軍の本陣の後方に何となく覚えがあるようなないようなそんな魔力を見つけた。だが、見つけたからどうしたとでもいうようにオズは無視をすることを決めた。あとあと、この判断をオズは悔やむのだが今はまだ誰も知らない。


 そして口笛による探査魔術によって、オズの目当ての場所である王国軍と帝国軍が激しくぶつかっている場所にたどり着いた。


 そこはまさしく戦場と呼べるものだった。紅い血が大量に流れ、死体が大量につくられ、恐怖、憎悪、諦観などの負の感情が渦巻いていた。


「うーわ。これはひょっとすると、ひょっとするかもしれないか?」


 オズは誰ともなしに呟いた。久しぶりの戦場で、戦争という醜くも命の輝きを見て矛盾した精神状態になっており、おかしくなっているのかもしれないと思ったからであった。


 自身が最終的に終息させた<10年戦争>の末期に似たような空気感が、当時を思い出し、高揚感と絶望感、矛盾した精神状態にさせているのだろう。


 オズは若干憂鬱な気分になりながら、自身に割り当てられた役割を思い出し、最高の結果をもたらすべく動き出すことを決めた。


 激しくぶつかり合っている王国軍と帝国軍と帝国軍よりを多く含んだ範囲に、可視化され眩いほどの大量の魔力があふれた。


「さーて。お仕事、はじめますかぁ」


 オズは自身の精神状態をフラットにし、魔術を組み上げる。


三種類の戦術級魔術をオズ自身が生み出した魔術運用方式【ノヴァ方式】で一気に発動する。


「拘束する大地、冷静沈着、眠りの強制。発動」


 大量の魔力を使いその魔力が身体から抜ける感覚にオズは、普段ため込んでいる魔力を出せたためかスッキリとした表情をしていた。


【拘束する大地】【冷静沈着】を使い、王国軍側の兵士たちの動きを一瞬強制的に止めさせ、兵士たちの興奮状態を一気に醒まさせていった。


 帝国軍に向けて発動した【眠りの強制】により発動範囲にいた帝国軍兵士は一気に意識を失った。


 動けるようになった王国軍の指揮官たちは兵士たちに意識を失っている帝国軍の指揮官を手当たり次第に拘束するようにと指示を出し始めていた。王国軍の兵士たちが意識のない帝国軍の指揮官たちを拘束し始めている最中にそれは起こった。


 帝国軍の本陣の後方から禍々しい魔力の波動が戦場に広がっていった。


「っげ?!! まずいぞ、まずすぎる」


 オズはそれだけ呟くと、帝国軍の本陣の後方が見渡せるように空中に魔術で浮かんだ。


 そこで見たのは先程までの戦闘が子どものお遊戯に見えるほど凄惨な景色だった。


 帝国軍の本陣の後方で召喚を目的とした魔術陣が未だ煌めいていたが、まだ呼び寄せたモノは出てきていなかった。しかし召喚を主導していたらしい魔術師たちは、召喚陣から溢れ出てくる禍々しく異様な魔力にあてられたのか、正気を失っている様子だった。


 ある者は笑いながら他の魔術師に襲い掛かりその身体をむさぼり喰らい。


ある者は喚き泣きながら監督していた軍人をグチャグチャになるまでいたぶり殺していた。


ある者は神に祈りながら自らの身体を供物にすべく捌いていた。


 そして召喚を目的とした思われる魔術陣はまだ動いており、異変に気が付いた付近の者も魔術陣から発生している禍々しい魔力に飲まれ常軌を逸した行動を取っている。


 オズはすぐさま拡声の魔術を使い、王国軍を下がらせるべく行動を始めた。






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