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―――とある工房―――
薄暗い部屋の中で設計図を描き続けている。新しく来た注文書の内容を思い出しながら描いているからか、時折頭の中がグチャグチャになってしまう。
「マスター、お昼ご飯はどうしますか?」
簡素なドアから、ひょっこりと顔を覗かせている少年のような人形。もちろん、買った子ではなく、私が作って育ててきた子だ。人形に身体的成長は無いけれども、心の成長はある、というのが個人的な持論だ。
「マスター?」
「ん?ああ、お昼かい、私が作るよ。」
素直ないい子になってくれた、と最近よく思うようになった。少々、力が強すぎるけれど、それもちゃんと使い分けられるようになってきているらしかった。
立ち上がって部屋から出ると、後ろからチョコチョコとついて来る彼は、とても可愛らしく思えた。
さて、今日の昼食は何にしようか、と考えながらキッチンに向かって歩き出した。




