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異世界姉(兄)妹放浪記  作者: 一人貝
一章 幼年期
6/15

四話 約束の日

短いです

 ついに俺たちの六歳の誕生日の日がやってきた。俺たちはこの日のためにランニングや腕立て伏せなどの筋力や体力をつけるためのトレーニング、魔法の理論や魔力を扱うための座学に魔力トレーニングなどの様々な訓練を一日も休むことなく続けてきたのだ。


 今年は去年のような盛大なパーティは開かず、家族と屋敷につかえてくれている執事やメイドの人たちと誕生日を祝う。

 それでも俺たちの誕生日を覚えていた何人かの貴族などがプレゼントを送ってきたりもしたので、普通ではないが。


 そしてついに俺の魔法を教えてくれる先生との対面がこれから行われる。

 剣術の方は本職が王城につかえる騎士の(先ほど教えられた)ロイドが教えてくれることになっていたが、魔法の方はロイドの先輩騎士の娘で、天才と呼ばれているとある少女が教えてくれるらしい。

 俺もアリスも少女だからと言って嘗めたりは決してしないし、そう言った傲りが自身を窮地に追い込んでしまうようなものになってしまうとあの夜に教えられた。実際それ以降は決して自分が強いだなんて思わなかったし、訓練にもより一層手を抜かないようにもした。


 扉が開かれ、俺たちの前に魔法を教えてくれるという先生が現れた。俺とアリスはその少女のことを見て心底驚いた。なぜならその少女は、俺とアリスを救ってくれたあの美しい少女だったからだ。


「また会いましたね。前回はまともの自己紹介が出来ず申し訳ありませんでした。私の名前はリファ・リースバルク、王都を守る騎士団の副団長を務めるドレアム・リースバルクの娘です。よろしくね、クリス、アリス」


 俺とアリスはあの夜、俺たちを救ってくれた少女――リファの言葉を聞いてはいたのだが、あまりの唐突さにすぐに返事を返すことが出来なかった。

 あの時の少女が魔法の先生?確かにあの時の少女は強かったが、それは剣を使っての強さだ。本当に魔法を教えることなどできるのだろうか?


 俺の頭の中で様々な疑問の嵐がせめぎあい、フリーズしてしまいそうになるが、俺はまだリファに挨拶を返していないことを思い出して慌てて返事をする。


「ク、クリスティア・ハルベルトです!これからよろしくお願いします!」


「妹のアリスティアです。よろしくお願いします!


「ふふ、元気いっぱいね。こちらこそよろしく」


 リファは口に微笑みを湛え、俺たちのあいさつに答える。

 それに前にあったときは辺りが暗くて気付かなかったが、耳が少しとんがっているし、神の先端だけわずかに緑がさしていて、エメラルドグリーンのような美しい色合いをしている。彼女はどうやらエルフとのハーフのようだ。


 エルフ、古代より人間と共存している種族の一つで、男も女もみな美しく、若い時期も長い。主にきれいな水のある水辺や、森の中に集落を作っており、その地はエルフの里と呼ばれている。また、人間との間にも子供を作ることが出来るので、王族や貴族などの中にはエルフを旦那や妻として迎えることもある。運動能力なども人間より優れており、魔法なども使える


 もともとこの家の中にあった異種族大辞典という本に書いてあったことを思い出して俺は納得する。この少女はエルフとのハーフだから、普通の少女よりも強いのだ。その上で天才などと呼ばれているのだから実力は計り知れないが。


 結局その後はかるく話をしてお開きということになった。授業計画としては、週六日、午前はロイドによる剣術指導、午後はリファの魔法指導ということになった。

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