ep.67 手紙
大陸暦197年。
易姓革命によってアッシア王国は滅び、アリサ王女によるエル・アリアノーズが建国された。
アッシアの大地をまるごと領土としたこの国は、新たな体制の元で生まれ変わる。国庫にため込んだ財は解き放たれ、しばらくは苦しい思いが続くものの、民たちの表情は明るくなった。
とある商人団を通じて売却された財貨で得たものは大きく。
北東のセイヴェルン領は港町を強化することで商業都市への一歩を踏み出している。王都は旧王都として、エル・アリアノーズの中枢都市としての機能を持つべくスケジュールを組んだばかり。
そして新たに王都として制定された"旧北アッシア"はと言えば、発展した一都市という現在の規模にさらに輪をかけて商業に力を入れ、交通網の整備など、様々なことに追われる状況となっていた。
「……そっか、クサカが」
「ごめんなさい。貴女にも早く知らせたかったのだけど」
「ううん、しょうがないことだよ。でも、やっぱり……そっか。寂しいなぁ……ぅ……」
エル・アリアノーズ王都となった北西の地にて。"王城"となった北アッシアの内装はあまり変わっていない。
少し黄ばみがかってきた木製の"りゅーきのしろ"という看板のかかった部屋で、少女二人が言葉を交わしている最中だった。
「竜基を庇って、っていうところが、また残酷だよね。……あいつに。あいつにどれだけの仕打ちをするつもりなんだ……なんて、誰に言ってるのか分からないけど、さ……」
「身内の死っていう経験は、彼にとっては初めてだろうと思うから。それにリューキは、クサカの過去を知っていたらしいし」
執務の為に筆をとるヒナゲシと、その正面にある椅子に座りゆっくりと紅茶を飲むアリサ。どちらも、表情は浮かない。アリサに至っては念願の第一歩を踏み出せたというのに、だ。
その理由など単純で明快。一番彼女の思いに答え、熱望してくれていた古参の老兵が亡くなったこと。それともう一つは、塞ぎこんでしまった大切な仲間。
「ねえ、ヒナゲシ」
「ん……なに?」
「王城……ううん、旧王城でね。私、あの後お母様の部屋に行ったのよ。そしたら……こんなものが出てきたんだけど。今のリューキに、見せていいものだと思う?」
「……うわ」
旧王城。そう彼らが呼ぶのは、あの日激闘を行った地。アリサたちはあの後、戦後の処理を最低限に行い、平民たちの安堵の為に各所を回ってから、十分な後始末のみで北西の新王都へと引き返してきていた。
あの戦いから、一月が経っていた。
ウルフレーダとエリザが姿を消し、その後に起きた事変について少し。
あの後、オルセイス連盟がエル・アリアノーズに進軍を開始した。
危険域に入るかと戦々恐々とする前線だったが、ここで思わぬ横やりが入る。グルッテルバニアの軍勢が現れ、エル・アリアノーズ国境付近で戦闘になったのだ。
ウルフレーダはオルセイス連盟の最高機関"円卓議会"の第四席という、かなりの権力者であること。そして、リューヘイたちは元々グルッテルバニアの第一皇女からの依頼でアッシア王国に来ていたこと。
この二つの、リューヘイからもたらされた情報によりだいたいの理解ができた。
オルセイス連盟はエリザに干渉することでアッシア王国を強奪する予定だったこと。
そして、グルッテルバニアがそれに横やりを入れ、オルセイス連盟の肥大化を防いだこと。
この戦いはグルッテルバニア側の勝利に終わり、戦後にアリサと第一皇女の会見が行われた。
グルッテルバニア第一皇女は開口一番、アッシア王国の腐敗が無視できぬから元々アッシア王家を滅ぼしてからグルッテルバニアが併呑するつもりだったと語り。
アリサの今回の易姓革命を諸手をあげて賞賛すると、オルセイス連盟から国境付近の利権を奪い取り、ついでにエル・アリアノーズの新規漁港との通商条約を締結するとすぐに帰還していった。
その鮮やかな手並みは、アリサも目を向くほどで。もし竜基が居ればもう少し上手く立ち回れたのではないかと、少し後悔もいていた。
「国を統一したと思ったら、一気に大陸規模に話が広がったね。この先大丈夫なのかな」
「やるしか、ないでしょう。私たちが頑張らなければ、やっと平穏を取り戻した民衆に示しが付かないもの」
「それは、そうだけど」
最近のことを思い出しながら、ヒナゲシはアリサに手渡された、"竜基に渡すかどうか迷っている代物"に目を落とす。
ヒナゲシの前に差し出された、上質な紙に書かれた文面。
手紙だった。
「とりあえず、旧王都はまだまだ調査が終わっていないからその辺をグリアッドに任せているわ。宝物庫の処分とか、そういうのも諸々やっていかないと」
「そう、だね」
手紙の裏表を眺め、悩みながらアリサとの会話を続けていたヒナゲシ。クサカの死も衝撃的ではあったが、帰還してきたアリサがもっていたこの手紙の破壊力も凄まじい。自分には関係のないことではあるが、竜基の反応は全く読めない。
「……これからも頑張らなきゃいけないし、竜基には、立ち直って貰わないとちょっと困るよね」
「え? ああうん、そうね」
「クサカは……僕にとっても大切な人だったから、少し思うところはあるし」
「……そういえば、仲、良かったものね」
ヒナゲシが具体的になにを言いたいのかは分からなかったが、彼女の言っていることに間違いはない。アリサとて、最古参の老兵が倒れたことにかなりの悲しみはあったが、城内で仲の良かったヒナゲシもやりきれない思いはあるだろう。
「で、この手紙だけど。僕が竜基と話してくるよ。アリサ忙しいだろうし」
「え?」
「ん? アリサが忙しいだろうから僕が話してくる」
「いやそれはわかるけど……!」
筆を置き、手紙を片手に立ち上がるヒナゲシ。彼女がなにを考えているのかはわからないが、こう見えて彼女は計算高い。
この場に竜基がいれば、まるで日本の女子高生のようだと言うかもしれないくらいには、そういう妙なところに余念がないのが彼女だった。
「元々帰ってきたら少し話す約束してたし、僕としてはたまには副官として上司のサポートをするのもいいかなって」
「そうかもしれないけど」
「……それに、大事な人を失うのって……結構しんどいもんだからさ」
「……っ」
視線を落として、ヒナゲシは言った。彼女のことで、身内の死など思い出すまでもない。竜基などは最前線で彼女の大切な父親代わりを殺したのだ。
あのすぐあとの、ヒナゲシの叫びは今もアリサの胸の中に残っているのだから。
「そんな顔しないでよ。あのことは、僕も割り切ったさ。だから今こうして立てているし、ギースさんもきっと僕を見守ってくれていると思う。だから、大丈夫。……だから、竜基を大丈夫にしてあげたいんだ」
「そっか」
アリサは、どこか寂しげな笑いを見せるヒナゲシに視線を向け、ついで少し瞳を閉じた。
黙考。
数瞬の後に、改めてヒナゲシを見上げる。
「いいでしょう。というよりも、お願いするわ。それにしても、ヒナゲシもやたらと頼もしくなったわね」
「なにそれやめてよ」
「ほんとほんと。リューキに当たってたとは思えないくらい」
「本当に黒歴史だからさ、ね? やめよ?」
頷いたアリサに、ヒナゲシはドアノブに手をかけようとして、からかい口調の彼女に赤面する。本当に、いつもいつも見抜かれていると思う。いや、しかし、なればこそ、こうして元首として据えるにふさわしいのかもしれない。
「それじゃ、任せたわよ、ヒナゲシ」
「はいはい、任されました」
手紙を手に、ヒナゲシは扉を開き、どこかしゃんとした背筋で深呼吸をして、それからゆっくりと竜基の部屋の方へと向かっていった。
それを見送って、アリサは一息。
「本当に、あの手紙にはなにが書かれているのだか……」
『竜基……強い男に、なったな……』
脳内に反響する声はまだ強く鮮明に。
建国における最低限の仕事をこなした竜基の精神は疲れきっていた。
本当にこんな奴が軍師という立ち位置に居て良いのだろうか。味方の犠牲も考慮に入れず、いざ失えばここまで心を疲弊させる。
自問自答に苛まれながら、しかし結局、何一つとして答えはでない。
そんな中で、ふと思うことがあった。
ずっとずっと、悩んでいたこと。
クサカの記憶が、最後の最後に蘇ったことが、強く竜基の中での疑問として残っていた。
「走馬燈のように、死ぬ間際にならないと記憶が蘇らないとかだったら……俺は……はは、なにをどうしたらいいのかわからないな……もう……」
乾いた笑いも出ようというもの。
記憶を取り戻すために共に居た、父の大切な友人は。今輪の際ですべてを思いだし、そして散っていった。
もう、戻らない。
あの世界で大切だった、優しいお嫁さんや同僚たちになにも言えず、帰らぬ人となったクサカを思うと、やりきれない感情が押さえきれなかった。
どうしてこうも世界は残酷なのか。
その問いは、まだ解ける予兆すら見せない。
自分を庇い、死んでいったクサカ。このことは、竜基に強い意志を与えてくれた。竜基は、竜基自身が思っている以上に重要人物となっていること。思えば王都平原の戦いでも、ルーは自分を狙って殺しにきた。
アリサよりも利用価値がなく、そして邪魔な存在。
そう認知されれば、早々に暗殺のおそれがあるのも無理はない話である。
だからこれからは自らの危機管理も徹底しよう。そう思えたことは、確かにプラスだった。
そういう思考が出来る点では、竜基は前よりも遙かに成長しているのだろうとは思う。
だが、もしその部分で強くなれていたとしても、クサカの死だけはあんまりだった。
「……どう、したら良いんだ……」
シーツを握りしめ、倒れ伏すベッドの中。
結局自分に出来ることが何一つない無力感。死者蘇生など願ってもいなかったが、それ以上にリューヘイやヒナゲシという、既に発覚している記憶喪失の面々に対して何のアプローチもすることが出来ないその事実こそ、竜基を悩ませる一番の命題だった。
「……だが」
クサカは、笑って死んでいった。強い男になったなと。彼は己を認めてくれた。だから、報いなければならない。その思いは、胸のうちに今もある。
だから、顔をあげる。まだ、ここで折れてはならないと。
しばらくアリサやほかの面々にすべてを預けたのは、感情に整理をつけるため。間違いなく竜基はクサカの死で盛大に傷ついたし、数日は身動きすらとれなかったが、一ヶ月の月日で思考に没頭していたのは、その整理だった。
「……エル・アリアノーズは……ノーダメージで建立できた」
部下も名声も権力も失い、矢面にたたされるだけの傀儡女王の姿はない。
ここに、自らの上に立つのは、アリサ・エル・アリアノーズ。救国の意志堅く、今度は民を守る為に尽力する我らが主だ。
つまり、魔剣戦記の記述とは、この時点で道を違えているということ。
あとは、大陸暦200年まで何事もなければ、歴史は明らかにかわったと睨んで間違いはないだろう。
もしかすると、自分は本当にイレギュラーなのかもしれない。
自分もクサカもヒナゲシもリューヘイもイレギュラーで、それが作用してこうしてエル・アリアノーズの歴史も変わったのかもしれない。
考えることは尽きない。
だが間違いなく明日に向かっている。
それが、むしろそれだけが今の竜基の支えだった。
「……竜基、居る?」
「……ん? ああ、ヒナゲシか。久しぶり」
「うん、こっちは何とか処理しておいたよ。……調子、良くはなさそうだね」
「……まあ、な」
ノックに続き、扉を開く軋んだ音。顔を覗かせた少女は、しばらくの間会うことの出来なかった自分の副官だった。
どこか俯いた瞳は、事情を把握していればこそのもの。
竜基は上体を起こすとベッドに腰掛け、近くにある椅子を彼女に勧めた。
「えっと……クサカのことは、僕も胸が痛い。けどきっと竜基は、それ以上に辛いんだろうと思う。ギースさんのことを思い出すと、今でも少し、泣きたくなるんだ」
「わざわざ、励ましに来てくれたのか。ありがとう」
肘掛けつきの椅子に腰掛けたヒナゲシと、竜基はしばらく向かいあっていた。だがどうにも会話が始まらない妙な空気にじれったくなったのか、ヒナゲシは口を開く。
その内容に小さく竜基は微笑んで、だがどうやら彼女はその反応が気に入らなかったらしい。どこか視線を反らしながら、そのサイドテールの髪をいじりつつぶつぶつと呟く。
「いや、そんなつもりはあんまりないんだけどさ。副官の務めっていうにはちょっとプライベートなのかもしれないけどほら、プライベートのケアも副官の仕事というかその」
「なにいってんだおまえ」
「な、なにってなにさ! ぼ、僕だって別にそんな同情のつもりで来てるわけじゃないんだから!」
ふん、とそっぽを向くヒナゲシ。からかったのがアリサであれば、彼女だったらきっと頬を膨らませて睨んできたのだろうなとどうでもいいことを考える。
と、何かに気づいたようにヒナゲシは竜基を見て。
「塞ぎ込んでたって聞いたけど、竜基もしかして割りとけじめはついてるの?」
「……ついては居ないけど、クサカはもう戻って来ない。……口に出すだけで苦しいそれを現実として受け止めなければ、俺はもう前に進めないんだ」
「……強く、なったね。竜基」
「……それをクサカに言われちゃ、強くなるしかないんだよ。きっと」
ふぅ、と天井を見上げて息を吐く。あれだけ考える時間があって、結局何の整理もついてはいない。加えてまだクサカの死に対して素直に口にするのも辛い。
それは、変わらないことだ。
けれど、クサカや村長、ガイアス、リューヘイ。そして、龍平。
叱咤されたことを糧に出来なければ、自分はクサカに報いることすら出来ない。
だからこそ、竜基は無理矢理に前を向いた。足とわき腹を穿たれようとも、それでも前を向く。そう決めてかからないことには、竜基はまだまだ弱いまま。
だが弱さを受け止めて、その上で前を向く強さは手に入れた。
なら、精一杯足掻こう。
そう、思っていた。
「ギースさんがさ。良い女になれよって、最後言ってたんだ。……良い女にはなれないかもしれないけど、良い副官にはなろうと思ったんだ。……これでも僕はちゃんと竜基と同い年くらいなんだから、竜基を支えることくらい、させてくれると嬉しいな」
「……ありがとうな」
「ふふん、まあ、いっか。釈然としない返事だけど!」
小さく胸を張るヒナゲシが、竜基の心の闇の中で小さく一つだけ眩しく見えて、思わず笑みがこぼれる。
あまり、笑うこともなくなってしまった竜基だが。それでも人に笑みを見せられるだけ、まだ人間だと安心出来る。
「あ、そうだ、竜基。……今の竜基には、見せてもいいかなって思うから、これ。王都で、アリサが見つけてきた」
「紙、か。……そろそろ俺たちも竹簡じゃなくて、紙でいろいろ出来るといいんだけどな」
「製紙技術とか、相当拙いんだけど」
「頑張るさ。これから」
手渡された手紙を見て、竜基はまず裏と表をぱらぱらと見た。何の変哲もない手紙。それをなぜ自分に渡すのかと考えて……息を呑む。
「近藤……真理亜……?」
「コンドー・マリア? マリア・コンドー・アッシアなら、アリサのお母さんだけど」
「……!」
ヒナゲシの呟きとどちらが早かったか。
そのぐらいの速度で竜基は封を切り手紙を開く。
なぜならばその名前の下にあったたった一つの言葉が。
『日ノ本ノ国の人間以外は開けるべからず』
と、書いてあったからだった。
「……マリア・コンドー・アッシアはもう既に故人だよな?」
「それはアリサからさんざん聞いてるじゃないか」
「そうか……! 記憶が蘇ってから書いた可能性が……!!」
とても慌てた様子の竜基に、ヒナゲシはただただ疑問符を浮かべるのみ。
だが、彼の尋常ならざる空気は掴みとっており、しばらくそのいすから動けないでいた。
「……伝説の日ノ本ノ国。その呼び名がどこか自分たちの知っている国の名前と似通っていることに気づいている方がこれを読んでいると祈ります……!?」
出だし数行。
竜基の瞳は驚きに染まる。
明らかに、明らかにこの近藤真理亜なる人物は、記憶がある。
そこで思い出した。
アリサが様々な地球の故事を知っていたこと。
そして、それを母親から教えてもらっていたこと。
目を、文章に落とす。
なにが書いてあるのかと。
そして、さらなる爆弾に竜基は声をあげた。
『私、近藤真理亜は、"魔剣戦記"開発プロダクションチームの一員でした』
「なんだ……って……!?」
「ちょ、竜基。なにが起こってるのさ。もの凄く百面相してて気になるんだけど」
「ちょっと、待っててくれ……!!」
「わ、わかったけど……」
『とは言っても魔剣戦記のシナリオや世界観の骨子に関わっていたわけではありません。あくまでも、ゲームとしての魔剣戦記に携わっただけなので、"この世界"との関係について知っているわけではないのです。私が所属していたのは"ウルフロードカンパニー"。製作会社側の人間ではないので、詳しい情報が乗せられずに申し訳ありません』
ウルフロードカンパニー。
その名前を覚えていないほど、竜基は愚かではなかった。
魔剣戦記を機動する度に一番最初に現れるロゴ。それがウルフロードカンパニーという巨大ゲーム企業のものであることくらいは知っていたからだ。
『私がこの世界に生まれ落ちた時のことは、覚えていません。何せ、記憶喪失でしたから。十四、五歳の年齢に落とされて、ただひたすら町娘として働いていたように思います。その後起きた出来事については、おそらく私の娘が知っていることでしょう。……その娘、"アリサ・ル・ドール・アッシア"が生まれた瞬間に、私は全ての記憶を取り戻すことが出来ました』
「……!!」
全ての記憶を取り戻したきっかけは、アリサを生んだこと。
その事実が、竜基の胸に希望の火を灯す。もしかしたら、何かのきっかけで記憶は戻るのかもしれない、と。
『彼女を育てる傍ら、様々な可能性を考えましたが、どうして自分がここに居るのかは全くわかりませんでした。最後の記憶は、魔剣戦記をテストプレイしていたことだけ。発売間近の、冬の日でした。……ただ一つ考えられるとすれば、この原因は"ゲームメーカーWS"……シナリオや世界観の素体を組み終えた状態で魔剣戦記を売り込みにきたゲーム開発会社です。すみません、それしか、わかりません。私はもう長くはない。出来れば、アリサを……悲しい運命を辿るはずの彼女に、出来る限りの知識はつけました。ですからどうか、何方か、彼女を助けてあげてください』
最後まで読み終えた竜基は、一息ついてその手紙を小さく畳むと、自分の懐の中に丁寧にしまった。
燃やしてしまおうかとも考えたが、それは後だ。
今はほかにも、やることがある。
「ね、ねえ、どうだったのさ?」
「……ああ、どこから話そうかな」
目の前で、目を輝かせている記憶喪失の少女。
何かのきっかけで、記憶を取り戻せるとするのなら。
竜基は、徐に口を開いた。
「なあヒナゲシ。魔剣戦記って、知ってるか?」
エル・アリアノーズ戦記 完 Next stage now Loading...
読了お疲れ様でした!
これにてエル・アリアノーズ戦記は終了となります。
語られていない部分も多くありますが、次章にて補完いたします。
さてさて、それではまた次回お会い致しましょう!




