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魔剣戦記~異界の軍師乱世を行く~  作者: 藍藤 唯
エル・アリアノーズ戦記 最終章
56/81

ep.54 ウルビダ小山脈の戦い(上)

 もう負けられないと思うからこそ、俺は本気で王都を潰す。

 慈悲はない。

 アリサに血の河を渡らせても、彼女の願いを叶えたい。

 そう、思ったんだ。


                      竜基の手記より抜粋










「竜基! どうするのさ!」


 ファリンの一報を聞いて顔を真っ青にしたヒナゲシが、思わずデスクから足を浮かせて声をあげる。

 ファリンも顔面蒼白で、どうしていいのか分からないと言った状況だ。


 二人の視線を纏めて受けている竜基はといえば、慌てることもなく、珍しく静かだった。


 流石に、というべきか。竜基の考慮のうちでも、エツナン軍一個師団に対してまさか魔剣使い二枚を、それもこんな早いタイミングで投入してくるなどとは予想外だったのだが、焦りは顔に出さない。魔剣使いが二枚猛威を振るっているという予想の斜め上の事態。加えて味方の将兵には「魔剣使いが襲ってくる危険性」を伝えていなかったこと。その二つに対して竜基が打てる最善の一手を、繰り出すだけだ。


「今日は結構余裕だね竜基」

「そんなことはないよ。けど、布石はもう打ってある。魔剣使い二枚というのが予想外で、ちょっと驚いているし」


 ジト目で竜基を睨むヒナゲシに、彼は肩を竦めることで答えた。

 実際、竜基は今回万全の状況を持って戦いに臨んでいる。負けるなど、もうあってはならないのだ。そう、心に刻んだからこそ、竜基が負けることはない。

 絶対に。もう、絶対に負けない。


 だから、全てにおいての準備を徹底してあるのだ。


「アリサに伝達するのも重要だが……少し接敵が早過ぎるな。エリザも慌ててるのか?」


 とりあえずは状況確認だ。


 竜基は立ち上がると、ヒナゲシにしばらくの間の実務を任せて作戦会議室へと向かった。


 一番大きく鮮明な地図があるその作戦会議室に辿りついた竜基は、中央の広く長いテーブルの前までやってくると、その上に広げられている地図を覗き込む。


 先に罠を張っておいたとはいえ、その罠を素通りされてはかなわない。

 そんなことはないだろうとは思うのだが、それでもやはり確認というのは重要だ。

 念のため、交戦中の個所を把握しておく。開戦の報が王都に行ってからの時間のタイミングだと、竜基のシミュレーションでは間違いなく、あの場所で戦いが始まるはずだ。


「ファリン!」

「は、ひゃっ!」


 頭上から落ちて来たファリンは、顔を真っ赤にして竜基の指示を待つ。

 地図に向いていた頭をくるりと反転させた竜基はファリンを見据え、口を開いた。


「エツナン軍が交戦中の地域はどのあたりだ?」

「あ、えと王都西方ウルビダ小山脈の峡谷です!」

「……ッチ、ずれたか」


 発見したその交戦地帯を指で示し、竜基は一つ舌打ちした。

 竜基の予想では、ウルビダ小山脈を抜けた先にある平原での交戦になると踏んでいたのだ。いや、平地での交戦になるように、エリザの耳に進軍の報が入ってからの時間を調整していたのだ。


 だが、魔剣使い二人だけを派遣したというのなら、確かにここまで早く初動を起こすのも無理はないかと一人頷く。

 多少の誤差が出てしまった。だが、絶対に戦には勝てるはず。


 完勝が大勝に変わるのは痛手だが、仕方がない。

 ぽん、とファリンの頭上に手をおいた。


「ふぇ!?」

「そんなに驚くなって。何も気にすることは無かったよ。この件に関しては放っておいて大丈夫だ」

「えと……?」


 どういうことでしょう、と不安げに顔を上げるファリン。しかし竜基はどこ吹く風。魔剣使い二枚による攻撃が加えられているというのに。だからこそ焦って必死で戻ってきたというのに。それで大丈夫だ、とはどういうことだろうか。


「いや、対策として一個布石を打っておいたんだが、上手くいったから。安心していいよ」

「布石……です?」

「そ。魔剣使いを一般兵で相手取るのは、防衛戦でもない限り難しい。けれど、魔剣使い二枚くらい、上から叩き潰してやる」



 呟く竜基の表情は、まさしく軍勢を操る軍師そのものだった。














 エツナン軍は窮地に見舞われていた。

 王都に着くまでのウルビダ小山脈は確かに要衛ポイントではあるが、あの油断しきった王都がまさか攻撃を加えてくるなどとは思えもしなかったのだ。


「者共、迎えうてええええ!!」


 指揮官の声が響く峡谷。

 曇りきったどんよりとした空は、まるでこの戦争の雲行を示しているかのようだ。

 崖の合い迫ったこの場所は、進むにも一本道で、細く長く軍勢を動かすしかない。ましてや崖の高さはかなりのもので、領主館の城壁以上の偉容を誇るからか圧迫感も凄まじい。


 だと言うのに。



「いっぱいゴミがいますねぇ」

「魔剣使いも居ないんじゃ、オレたちの無双確定かな」


 魔剣を担いだやせぎすと小太りのコンビが、エツナン軍の前に現れたのだ。

 この細い道で、魔剣使いとの遭遇。状況的には“不利”などというレベルではない。


 人数を活かせない状況というだけでも厳しいというのに、それに加えて相手が魔剣使いともなれば、当然兵士は浮き足立つ。


「オラアア!!」


 しかも、そのやせぎす魔剣使いが扱う魔剣そのものが相手として厳しかった。 振るわれるその細く長いレイピアのような魔剣は、凍りついた驟雨をその峡谷へと落とし続ける。まるでつららばりのような攻撃が、次々と前方後方問わずに降りしきるというのは、兵士たちの厭戦気分をおおいに煽り、そして攻撃に展開させようとする将兵を、まるでねらったかのように突き穿つ。


「ぎゃああああ!」

「た、助けてくれぇ!」

「グレンダーさんがやられた!! ひぃい!」


 串刺しになった際に飛び散る血しぶきというのは、派手であればあるほど人の恐怖を駆り立てる。

 そのことを完全に把握しているのか、魔剣使いたちの容赦はない。


「おっと、オレも忘れてもらっちゃ困るぜい!」


 調子付いた魔剣使いの二人。身体能力も常人とは比べものにならないほどで、跳躍した片割れが峡谷の崖に足をかけ、そこからそのトマホークのような魔剣を振るう。


「吹雪一陣!」


 その軌跡から放たれたのは凍えるばかりの風だった。

 底冷えするようなその一瞬のあと、通り過ぎたあとにまともに生きていられる者はほとんどいない。


 その冷たい風が通り過ぎる、瞬間的な出来事。風とともに意識を刈り取られた者たちの末路は、氷付けになったまま砕かれるのを待つばかりという悲惨な定め。


 冷たい風と、つららばりの雨。

 この氷結地獄と化したウルビダ小山脈の峡谷は、兵士たちの叫び声が反響しまるで餓鬼道のような様相へと姿を変えたのだ。


「こ、この……!」


 将兵は焦る。魔剣使いの存在など、そしてこの場に現れる可能性など、みじんも聞かされていなかったのだから。

 攻撃に転じることもできず、この悪路ではどう対処することもできない。なにも考えずにどんどんと氷らされ、そして貫かれる兵士たちに、どうすることさえ出来やしなかった。


 レイピアを使う、つららばりを主なウェポンとする魔剣使い。

 トマホークを使う、凍える風を放つ魔剣使い。


「逃がさねえぞ!? エリザ様はここで殺せと仰せだからな!」

「そういうことなんだね。我慢してくれ」


 せせら笑う男二人。

 どうすることもできずただただ蹂躙されるだけかと、そう絶望に囁かれながらもその将の心は折れなかった。


「隊列を変えろ! ぎりぎりまで広がるんだ! 弓でもって空中の敵を殺せ! 相手は二人だ! 人数で押し通れ!」


 そうだ、物量だ。人数が多いこちらは、魔剣使いを相手にせず突破することを第一にするべきなのだ。


 まずしなければならないのは王都の制圧で、この部隊はその先駆けである。

 だからこそこんなところで負けていられないし、それ以上に止まってなどいられないのだ。


「進めえ!!」


 馬上から剣で前方を指し示し、怖くなどないと将である己が先頭にたつ。大丈夫だ、この兵士たちの意識は高い。


 あの憎き王国を下す第一歩は、すでに開かれているのだから。


 己の手でこの国を、この腐敗した国家を変えること。それを夢見る、苦しい日々を乗り越えた人間たちだからこそ、将も兵もまっすぐ前を向けるのだ。


「いくぞおおおお!」


 馬を駆るその将の姿は勇ましく、煽られた兵士たちも槍を小脇に突き進む。

 たった二人の魔剣使いがなんだ。足止めなどされてたまるか。三千の兵士団である我々が、たった二人ごときの前に膝を屈してなるものか。


 鼓舞された兵士たちの雄叫びがあがる。


 やはり将のやる気と意志が伝われば、軍というものは自然に士気を共鳴させ、恐怖に打ち勝ち突き進むものだ。


 魔剣使い二人が跳躍し、道のあいた今がチャンス。


 将を先頭に、隊列前方の兵士たちが、味方の骸に少し無念げに視線を向けながらも突破の為に足を前へ前へと繰り出していく。


「峡谷を抜ければすぐに広い草原地帯にでる! そこで追いかけてきた魔剣使いを迎撃するんだ! そうすれば、物量で勝る我々が勝つ!」


 将の言葉はもっともだ。

 平地での戦ならまだ魔剣使いにも負けることはないだろう。

 ここは集団の利を活かすことができない。


 だから、こんな場所にとどまる理由がないのだ。


「いっけえええええ!!」

「おおおおおお!!」


 雄叫びをあげる兵士たちの強行突破に、波打つように仕掛けられる凍える風とつららばりの応酬。


 次々と凍り付き、倒れていく仲間を、しかし省みることなどできようはずもない。


 この隘路で魔剣使いの相手など出来やしないのだ。物量を生かせる場所にいかねば意味はないのだ。


「もうすぐだ! もうすぐたどり着く!」


 視界の奥に見えてきた、開けた場所は隘路が尽きるその合図。

 ここさえ突破することができたなら、まだ魔剣使いに対しての攻撃の鏑矢は放つことができるのだ。


 将の言葉に、さらに兵士たちの士気はあがる。こんなところで死んでたまるか、倒れてたまるか。

 生存本能そのものがむき出しになった兵士たちの脚力は、歩兵といえどバカにできないものだった。





「だから言ったろ? 逃がさねえって」

「っ!!」





 突き進み、隘路を突破するその目前。将の前に、降ってきたかと錯覚させるような小太りの男。右手には、トマホーク。


「あっ…………」

「死ね、バカ共」


 トマホークから放たれた風は、轟きの耳鳴りとともにその隘路前方を突き抜ける。

 凍り付くような寒さはそのまま、比喩でも何でもなく将と兵士を包み込む。


「な……ぁ……!」

「残念だったな、いかせねえっての」


 瞳だけは、まだ動く。全身を水分に包まれながらも、そしてその水分全てが凝固していようとも、その驚愕の瞳だけは口以上にものを言っていた。


「何で間に合ったか? 魔剣使いは魔剣を持ってないと人間と同じだとか思ってねえ? 魔力を使って身体能力を底上げするくらい、無意識にでもやれるっての」


 歪な笑みを浮かべて、小太りの魔剣使いはトマホークを振るう。後方では今頃、つららばりを使うレイピア使いが蹂躙をしているだろう。


「俺ら魔剣使い様をなめてんじゃねえよ」


 せせら笑うように言葉を発し、振りあげたトマホークでその将の全身をかち割った。


 無念そうに閉じた瞳は、砕かれた人間のパーツとしての、粗悪なオブジェとして塵に消えた。
















「ミナ……かっこつけてでてきたけど、父ちゃんここまでかもしれねえ。ごめんよ」

「なにを情けないこと言ってんだビスタ!!」


 ビスタと呼ばれた壮年の男は、他の兵士と同じ鎧、同じ兜に身を包み、同じ直槍を握りしめて軍の後方で必死でつららばりを回避していた。


 魔剣使い。


 氷の驟雨を行使する、痩せた風貌のその魔剣使いに、後続軍もずたずたに分断されていた。


 ビスタは一般兵として、行軍を続けてきた一介の村人だ。

 ミナという少女の父親として、今まで一生懸命子供の為に働いてきただけの、殺し合いとは無縁の男。


 だが、ひょんなことから悲惨な目にあい、今は新たな主君のもとで決起した軍の一員として、直剣を握っていたのだった。


「だってよぉ! どうすんだよこれ!!」

「とりあえず死ぬな! 死ぬんじゃねえ!」


 ビスタと会話を交わすのは、同じ村の男だった。彼も義憤に駆られ、この戦いへと参戦した兵士の一人。

 しかし、彼ら二人とも、この悪戦苦闘の状況でどうすることもできなかった。


 早々に自分の直属のリーダーが、つららばりに貫かれて死んだのだ。

 あっけない絶命に、所属していた団は恐慌状態。次々と訳も分からないうちに殺されていく中で、友人が居たおかげか辛うじて理性を保っていられた二人が、なんとかつららばりの攻撃をしのぎつつ、他の兵士が次々死んでいく中をかけずり回っていた。


「幸い、まだ奴は遠い!」

「だからってどうするんだ!」


 友人の言葉に、ビスタは活路を見いだせない。どうしろというのか、それが全く分からないのだ。


 魔剣使いの居る場所は、ビスタたちが居るところからはかなり離れた場所。だが、そこから流星群のごとくつららばりを落下させてくるものだから避けきれずに死んでいく仲間は後を絶たない。


 前方と分断されたせいで、突き進んでいった大将たちの消息も不明。もう一人の魔剣使いがどうなっているのかも分からなかった。


「……ちっくしょう! こんなところで死にたくねえ!」

「死にたくねえのはみんな一緒だよ!」


 まるで災害だ。

 理不尽な暴力に対して、ビスタたちは為すすべがない。

 尻を向けて逃げようにも、後ろにいけばいくほど死骸が重なっている現状だ。どうしようもない。


「…………万事窮す」

「どうすんだよ」


 魔剣使いは、高笑いとともに次々と兵士を葬っていくばかり。このままではすぐに自分たちのところまでやってくる。

 つららばりの量が徐々に増えていることを鑑みれば、だんだん近づいてきていることくらいビスタにも分かった。


「クッソが……!」


 舌打ちする友人に、槍を小脇に抱えてビスタも思考を必死で巡らせる。どうすればいいのか。次々死んでいく前方をみるに、突破は難しい。だが、逃げようとした先から次々に氷槍に貫かれていることも確か。

 じわじわなぶり殺されるしか、道はないのか。


「どうなってんだよ!! 天才軍師がついてるんじゃねえのか!? それとも俺たちゃ囮か捨て駒か!?」

「アザン! 落ち着け!」


 ここでそんなことをいえば、一気に周りの恐怖の度合いが増す。捨て駒にされたなど、めったなことをいえる状況ではないのだ。


 だが、当然ながら。


 周りで必死に逃げていた人間に聞こえてしまえば。


 アザンの声が聞こえてしまえば。


「マジかよ……魔剣使いを引き寄せるための餌に使われたってことか!?」

「鬼だ! なんで俺たちがこんな目にあわなけりゃならねーんだ!」

「どうしろっていうんだよ!! ふざけやがって! 結局どっちの国に付こうが一緒じゃねえか!」


 魔剣使いのせいでかなりたまっていた厭戦気分は、一気に爆発する。


「お、おい!」


 ビスタが声をかけるよりも早く、逃亡を始める兵士たち。

 逃げる姿に迷いはなく、それも相まってビスタの精神を削っていく。


 そして、そんなことをすれば当然目立つ。


「おおまだいっぱい居るなあ!!」

「っ!?」


 人間とは一度の跳躍でこれほどまでに距離を縮められるものなのか。


 驚愕に目を見開くより先に、本能的に危険信号を鳴らした脳に従って横へ転がる。


 瞬間地面に突き刺さるは無数の氷槍。

 

 今まで居たところに居れば、まず間違いなく殺されていただろう。


「ぎゃあああああ!!」

「アザン!!」


 今の叫び声は友人のものだ。あわてて振り向けば背中をずっぷりと氷に貫かれる友人の姿。


 みなければ良かった。顔を青くしたビスタの眼前に着地する、やせぎすの魔剣使い。

 レイピアについた小さな結露をなめとりながら、狂笑を浮かべてその魔剣使いは笑う。


 ああ、不幸だ。


 完全に今、目が合った。

 周りの兵士たちは倒れ伏し、その中で一人立ち尽くす哀れな獲物。

 それが今のビスタで、獣は目の前の男だ。


 なにも言わずに振りあげられたレイピアが、氷の槍を出現させる瞬間。



「そっちはどうだ」

「まだ二千以上居るねえ」


 ビスタの身体はこの上なく氷り付いた。比喩のほうで、だ。氷付けにされた訳ではない。

 だが比喩なしでそれを可能とする魔剣使いが新たに現れては、もうなにもいえない。身体の震えが止まらないのだ。


 やせぎすの男の前に着地した小太りの男は、トマホークを片手に周りをみる。当然、後続の兵士たちはまだ大勢居るのだ、攻撃対象には事欠かない。


 だが、目の前に一人のうのうと生きていたら。魔剣使い二人の前に、今にも失禁してしまいそうなただの兵士がそこに居たら。


 魔剣使いたちが生かしておく道理はかけらもない。


「前方はだいたい殺しておいた、俺の風を食らって生きてる奴は大したもんだとして……」

「エリザ様は全滅しろと仰せだ」

「分かってるっての」


 ニヤリ、殺戮が楽しくて仕方がないとでも言いたげな笑みにさらされて、ビスタはもはやなにもできることはない。

 直槍を抱える腕すら、もはや感覚がないのだから。


 小太りの男がトマホークを肩に担いで舌なめずり。やせぎすはそんな男を一瞥して、はたと気が付いたようにビスタを見た。


「とりあえず、雑魚が突っ立ってるのはしゃくなんで、死ね」


 改めて視線をこちらに向けたやせぎすが、氷の槍を空中に浮かべ、そのレイピアを振り下ろした。


 ああ、ミナ。



 お父ちゃん、ちょっと無理だったよ。




 瞳を閉じ、覚悟を決めて。




 少し経ってもなにも感じない自分に疑問を覚えて、もう一度目を開く。




 そこには、いつかどこかで見た"黒"が。






「竜基に良いように扱われているのも癪には感じていたが……」







 何でもないような涼しい表情で、氷の槍を真っ二つに叩き斬っていた。






「奇遇だな。俺も、お前のような雑魚の魔剣使いが粋がっているのは、癪だ」



 

 “変幻自在”の黒き龍、参戦。


2014/05/18/17:30あらすじが序盤だけのあらすじでしかないので、変更いたしました。

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