第8話『言われた瞬間、想像しちゃっていた』
■草原と平穏の国:男主人邸
【男主人】「ふ~んふふん~♪」
【長ミミ】「随分とご機嫌ですね、ご主人様」
【男主人】「厄介な仕事が一段楽したからね。明日からは、ゆっくりできそうだ」
【長ミミ】「なるほど、それは良かったですね」
【男主人】「それに美味しい食事と美味しいお酒、気分は上々だね」
【長ミミ】「恐れ入ります」
【男主人】「これで後は……ごほんごほん。このソテーは僕好みだね」
【長ミミ】「良い川魚の切り身が手に入りましたので」
【男主人】「うん、この葡萄酒との取り合わせも完璧だ」
【長ミミ】「その葡萄酒は「森林と調和の国」で作られた5年物です」
【男主人】「なるほど……鮮烈な葡萄の香りが良いね」
【長ミミ】「ところで、ご主人様。今宵は夜伽などを御所望なのでしょうか?」
【男主人】「そ、それは言ってない!!」
【長ミミ】「でも言いかけましたよね。私は自称優秀なメイドですので」
【男主人】「自称って付けると、とっても怪しいよねっ!」
【長ミミ】「そうですね。私がお相手するならば、一晩50万イェンほどでいかがでしょう?」
【男主人】「高っ!」
【長ミミ】「そうですか? 相場には疎いものでして」
【男主人】「一流と呼ばれる娼館でも3日は楽しめるよ」
【長ミミ】「ふむ、ご主人様は市場価値が分かる目利きでいらっしゃる」
【男主人】「それって、遠回しに皮肉ってる?」
【長ミミ】「もう少し具体的に言うならば、“随分とお詳しい”のですね」
【男主人】「ぐっ……しょうがないんだ。あのバカ王子の部下をやってる詳しくもなるんだ……ツケを払いにいくこっちの身にもなってみろっ!!」
【長ミミ】「しかしながら、エルフ族の初物ならば、このくらいが相場かと思うのですが?」
【男主人】「ぶふっっ!?」
【長ミミ】「…………想像しましたね?(にこり」
【男主人】「…………(汗」