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第76話『弟大公が、演説をしていた』

 

 ■草原と平穏の国:夜会(広間)

 

【弟大公】「本日は、我が屋敷に多くの方々が集まってくれたことを、私は心から嬉しく思う。

 今回の夜会は、皆の日ごろの疲れを癒すため、そして、私から皆に伝えたい思いがあり、設けさせてもらった。

 皆はもう既に知っているだろう。現在、我等の兄弟たる隣国が粗暴な西の国に攻めている。

 そして、我等が優秀な王国軍が、友を助けるべく馳せ参じているのだ。

 西の国の規模は7年前とは違い、戦いは熾烈を極めるだろう。しかし、我等は兄弟を見捨てたりはしない。我等が見捨てれば、隣国は西の国に蹂躙じゅうりんし尽くされてしまうからだ。

 いや、それだけではない。貪欲な西の国は、平和なる我等が国に、その手を伸ばし、騒乱をもたらすだろう。

 私はこの場を持って、皆に誓う。西の国の愚かなる行為を決して許さないと!!

 そのために、私は微力ながら力を尽くす。私の力は、本当にささやかな力でしかない。しかし、ここにいる皆は、私と思いを等しくする方々だと信じている。

 私一人でなしえなくとも、ここにいる皆の力を得られれば、それこそ、万軍の力を得るだろう。私は、信じている。

 以上が、私が皆に伝えたいことだ……(一礼」

 

SE(拍手):パチパチパチ!!!!

 

 

【東公爵】「なぁ、茶番もいいところだと思わないか」

【男主人】「ええ、これなら、近所の子供達のお飯事ままごとを見ていた方が楽しめますね」

【東公爵】「とりあえず、退屈な挨拶も終わったし、俺はしばらく適当に楽しむつもりだ……ああ、副官女は、ついてこなくてもいい。男主人殿、うちのもよろしく頼むぜ」

【男主人】「は? え?」

【副官女】「お、お父様っ?」

【東公爵】「何、父親と踊っても面白くも何ともないだろうからな。そっちのお嬢さんには悪いがな……」

【長ミミ】「いえ、私は別にご主人様がどなたと踊ろうとも構いませんが」

【男主人】「長ミミ?」

【長ミミ】「……多分、東公爵様は、全部ご存知ですよ。私に対する視線が、そう物語っています。ですから、ご主人様が、『恋人に対して、特殊な性癖を押し付けている』とか心配する必要はありません」

【東公爵】「はっはっは、それじゃあな、帰るときにはまた声を掛けさせてもらうぜ」

 

 


 舞踏会編の新キャラクター2名の紹介です。

 

●東公爵

【種族】:人間族 【年齢】:48歳 【性別】:男性

【一人称】:俺

【設定】:

・「草原と平穏の国」の東の領地を治める公爵。

・副官女の父親。

・体の弱い妻を大事にする愛妻家。

 

●弟大公

【種族】:人間族 【年齢】:42歳 【性別】:男性

【一人称】:私

【設定】:

・「草原と平穏の国」の現国王の弟。

・王位継承権の第二位として、王子様派に対する派閥のトップ。

 

 

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