~幕間~『草原軍3』
■森林と調和の国:草原軍野営地
【師団長】「やぁ、調子はどうだい?」
【幼ミミ】「(びくっ)…………(さっと魔術師の背後に隠れる」
【魔術師】「いきなり入ってこないでくれますか? この子が怖がるでしょう?」
【師団長】「ふふっ、ずいぶんと懐かれたようだね……『この子が怖がるでしょう?』だって」
【魔術師】「何か言いたいことがあるなら言ったらどうですか」
【師団長】「まぁまぁ、ところで、その子の名前は?」
【魔術師】「幼ミミと言うらしいですよ」
【師団長】「ふむ、ボクの名前は師団長とという、よろしくね小さなお嬢さん(ぺこり」
【幼ミミ】「……お、幼ミミ……です(こわごわ」
【師団長】「少し、魔術師と話したいことがあるんだ。ああ、このオヤツを上げるから、一人で待っててくれるかな?」
【幼ミミ】「ありがとう……わたし、一人でおるすばん、できるよ?」
【魔術師】「偉いな(なでなで」
【幼ミミ】「えへへ……」
【師団長】「(ニヤニヤ)それじゃあ、まぁ、少し歩こうか?」
【師団長】「しかし、キミは子供ができたら親バカになりそうだな」
【魔術師】「僕をからかうためにわざわざ来たのですか?」
【師団長】「いやいや、あの子と村のことを聞きに来たんだ。何か分かったか?」
【魔術師】「言うまでもないことですが。襲撃跡から鉱山軍であることが確定しました。それと、あの子についての推測ですが、あの子のいた屋敷は村で一番大きな屋敷でした。この集落の長か、それの準じる立場にあった者の娘だと思われます」
【師団長】「ふ~む……」
【魔術師】「この国の住民であるエルフ族は、血縁を非常に大事にします。それなりの大きな集落に行けば、あの子の縁者を見つけることも可能でしょう」
【師団長】「それじゃあ、しばらくの間は、このままキミが預かってくれ、いいか?」
【魔術師】「ええ、それは構いませんが……何か心配事が?」
【師団長】「いや……最近、キミお前に面白い噂が流れていてね?」
【魔術師】「???」
【師団長】「なんでも、幼い少女を自分好みの女性に育て上げて、ゆくゆくは奥さんにするらしいね?」
【魔術師】「貴方と一緒にしないで下さい!! それと、変な噂を流すなっ!!」
【師団長】「おいおい、ボクは、もうちょっと育つ所が育っている方が好みだよ。自分色に染めたいって所は否定しないけどさ」