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第69話『部下男も、頑張っていた』

 

 ■鉱山と武勇の国:宿屋

 

【部下男】「ただいま戻りました。お祖母様」

【白髪女】「ん、街の様子はどうだったかい?」

【部下男】「どうもこうも街全体の空気がピリピリしてますね。戦場は、此処より遠いというのに」

【白髪女】「国自体の情勢が不安定なんだろうねぇ」

【部下男】「それと、面白い話をいくつか……どうも、この数ヶ月の間、皇帝が公に姿を見せていないようです」

【白髪女】「ああ、その話ならアタシの方でも聞いてきたよ」

【部下男】「そこへ今回の戦争……」

【白髪女】「明らかに要因の1つだろうねぇ」

【部下男】「次期皇帝の座を狙った、弟皇子によるデモンストレーションのようなものと?」

【白髪女】「うちの国も似たような物じゃないかい」

【部下男】「ええ、今回の援軍は、全て王弟派の息が掛かった軍で決まったそうです」

【白髪女】「ふんっ、まったく、7年前に王子の率いた軍が戦場で大活躍したのが、そんな簡単なことに見えたのかねぇ」

【部下男】「元はと言えば、王弟派の……少数の援軍しか派遣しないことで、「森林と調和の国」に対する王子の印象を悪くし、あわよくば戦死をすれば、という画策でしたのに」

【白髪女】「罠に仕掛けたエサを取られた猟師ってのは、間抜けだねぇ」

【部下男】「もっとも、男主人様という牙を隠し持った猛獣だった、と言うことですが」

【白髪女】「さて、ついつい昔のことを話し込んじまうね。今、これからの話をしようか」

【部下男】「そうですね。もし、皇帝が病気などで、先が長くないとなると……」

【白髪女】「確実に、この国は分裂を起こすねぇ。ただし、兄皇子か弟皇子に現皇帝に継ぐだけの力量があれば別だけどさ」

【部下男】「もしくは、今回の戦争で、弟皇子の軍が多大な戦果を上げた場合ですね」

【白髪女】「ただし、戦争ってのは、国力に多大な消耗を起こさせる。普通は二の足を踏むもんだけど……この戦争の発端には、少し裏がありそうだねぇ」

【部下男】「オレの方は、もう少し皇帝の様子について、情報を集めてみます」

【白髪女】「あんまり無理をするんじゃないよ」

【部下男】「もちろんです」

【白髪女】「ところで……あの娘はどうするつもりだい?」

【部下男】「うっ……」

【白髪女】「オマエに懐いているようだし、きちんと面倒を見るんだよ」

【部下男】「……はぁ、なんか男主人様の気持ちが少しだけ分かった気がします」

 

 

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