第68話『黒ミミさんが、訓練していた』
■草原と平穏の国:男主人邸
【猫ミミ】「黒ミミさん……何やってるの?」
【黒ミミ】「ん? 猫ちゃんか。こうやって(しゅぱっ」
【猫ミミ】「わ、すごい! 鉄の棒が板に刺さった! 黒ミミさん、大道芸人みたい!」
【黒ミミ】「だ、大道芸……一応、“手裏剣術”っていう武芸の一種なんだけどな」
【猫ミミ】「しゅりゅけんじゅちゅ?」
【黒ミミ】「手裏剣術だ」
【猫ミミ】「しゅりけんじゅちゅ、しゅりけんじゅちゅ……言いにくいよー!」
【黒ミミ】「しゅ、り、けん、じゅ、つ」
【猫ミミ】「しゅ、り、けん、じゅ、つ……言えたっ♪」
【黒ミミ】「おー、偉い偉い」
【猫ミミ】「ねね、あたしもそれ投げてみていい?」
【黒ミミ】「まぁいいけど、難しいぞ?」
【猫ミミ】「やってみたい!」
【黒ミミ】「じゃあ、ほらこれ、こう持って……振りかぶって放つ!(しゅぱっ」
【猫ミミ】「ふむふむ」
【黒ミミ】「まず、試しに投げてみろ。最初は前に向かって水平に飛ばせるように」
【猫ミミ】「こうやって、えい!!(ぶんっ」
【黒ミミ】「あっ…………」
【男主人】『(遠くから)いてぇぇぇ!! なんで空から棒鉄が!?』
【黒ミミ】「力の入れすぎだ、見事にすっぽ抜けて飛んでいったな」
【猫ミミ】「あわわっ、い、今の声、ご主人さまだよね?」
【黒ミミ】「問題ない。油断していたアイツが悪いんだ」
【猫ミミ】「も、問題ないのかな? 謝ってこないと」
【黒ミミ】「それより、ほら、これをやるから、暇な時にでも練習しな」
【猫ミミ】「わーい、ありがと!! じゃあ、ちょっと謝ってくるね!」
【黒ミミ】「…………やれやれ、この国は、まだ平和なんだな」