表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/181

第64話『男主人は、噂されていた』

 

 ■草原と平穏の国:男主人邸

 

【男主人】「…………」

【黒ミミ】「…………」

【男主人】(さて、どうしたものかな……逃げ出す様子もないし、仕掛けてくる様子もない)

【黒ミミ】「……一つ聞きたい」

【男主人】「こっちは、色々と聞きたいけどね。それで?」

【黒ミミ】「今、長ミミは幸せか?」

【男主人】「はっ? いや、ちょっと待って、君は長ミミの関係者なのか?」

【黒ミミ】「答えろ、そうしたら、そっちの聞きたいことは一通り答えてやる」

【男主人】「いや……まいったな、想定外の質問だ。長ミミが幸せどうかなんて、本人以外には分からないんじゃないか? 少なくても不幸そうには見えないけどね」

【黒ミミ】「ふんっ、使えない」

【男主人】「ふっ、そのえぐるような言葉のナイフ。君が長ミミの関係者で間違いがなさそうだよな」

【黒ミミ】「それで、何が聞きたい?」

【男主人】「あー、まず、名前と所属。それと僕の寝室に長ミミの振りをして潜り込んできた理由?」

【黒ミミ】「黒ミミ、“棘の氏族”、長ミミの主が色ボケという噂の真偽を確かめるため」

【男主人】「ふむ……つまり、長ミミとは同郷ってことか。というか、どんな噂を聞いてきたんだか」

【黒ミミ】「やはり噂とは当てにならんな」

【男主人】「ま、そうだな」

【黒ミミ】「……色狂いの変態という噂だったが、ただのヘタレか」

【男主人】「いたたたっ! 僕のデリケートな部分がとっても傷ついた!?」

【黒ミミ】「ふんっ」

【男主人】「結局、君は一体何のためにわざわざこの国までやってきたんだよっ!?」

【黒ミミ】「そう取り乱すな。アタシをしばらくこの家で雇って欲しい。長ミミだったら、アタシの身元を保証してくれる。返事はそれからでも構わない」

【男主人】「分かった。雇おう」

【黒ミミ】「はっ!? アタシが言うのもなんだが、オマエは底抜けのお人良しか馬鹿なのか?」

【男主人】「長ミミのことは信じている。仮に長ミミが何らかの魔術で操られたり、脅されていれば、すぐに分かるしな。そもそも、そんな方法で身元証明をしろ、と言っている時点で疑いはないさ」

【黒ミミ】「……屁理屈もいい所だな」

【男主人】「とりあえず、また明日来てくれないか。今日はもう眠い、詳しい話は今度だ」

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ