第63話『男主人は、迫られていた』
■草原と平穏の国:男主人邸
【男主人】「……少し張り切りすぎたか(ふぁ」
SE(扉を叩く音):コンコンッ
【男主人】「ん?」
【長ミミ】『長ミミです。お邪魔してよろしいでしょうか?』
【男主人】「……どうぞー?」
SE(扉の開閉音):ガチャ、ギィ、バタン
【長ミミ】「失礼します」
【男主人】「どうしたの? 何かあった?」
【長ミミ】「……お疲れの所、申し訳ありません」
【男主人】「いや、いいよ。こんな夜更けに寝室に押し掛けてくるほど用件なんでしょ?」
【長ミミ】「…………(するり」
【男主人】「なっ!?」
【長ミミ】「ご主人様のお情けを頂きたく……」
【男主人】「…………」
【長ミミ】「私の体では……満足いただけないでしょうか……」
【男主人】「…………はぁ(溜息」
【長ミミ】「ご、ご主人様?」
【男主人】「君は何処の誰なのかな?」
【長ミミ】「……え、“棘の氏族”の長ミミですけど」
【男主人】「《幻影崩壊》」
【黒ミミ】「はっ!?」
【男主人】「いやぁ、焦った……《誤認幻影》は、使用魔力が微弱すぎて感知しないことがメリットだな。対象を演じ切れるなら《偽装幻影》よりも、ずっと有効だ。しかし、ダークエルフの暗殺者に狙われるとはね。心当たりはないんだけど」
【黒ミミ】「なぜ見破れた……」
【男主人】「んー、真似できるくらい。長ミミを観察していたんだろ? 気付かないもんかな」
【黒ミミ】「…………」
【男主人】「まぁ、いいや……背後関係はきちんと白状してもらうつもりだよ」
というわけで、新キャラですー。
●黒ミミ
【種族】:エルフ族 【(外見)年齢】:25歳 【性別】:女性
【一人称】:アタシ
【設定】:
・男主人の寝室に現れた刺客?
・エルフ族の中でもダークエルフと呼ばれる褐色色の肌をした血脈。