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第60話『戦争が、始まっていた』

 

 ■草原と平穏の国:王宮(王子執務室)

 

【王子様】「(報告書を黙読し)……戦争が始まったぞ」

【男主人】「……事前の情報より若干遅かったですね」

【王子様】「軍の総大将は弟皇子らしい、7年前の総大将だった兄皇子とは異母弟で、母親同士が随分と仲が悪く、それをそのまま引き継いだような兄弟関係らしいな」

【男主人】「そうですか」

【王子様】「進軍の開始が遅れたのは、兄皇子側からの妨害工作が原因みたいだ」

【男主人】「どこも似たような物ですね……ウチとどっちがマシでしょうか?」

【王子様】「“隣の芝生は青く見える”と言うが、他所よその“いえ”に迷惑かけてない分、ウチのほうがマシじゃないか?」

【男主人】「もっとも、うちの方がマシと感じるのは、勝者としての余裕もありそうですが」

【王子様】「否定はしないさ」

【男主人】「それで? 戦争に関して、議会の決定は、どうなりましたか?」

【王子様】「ああ、やっと軍の派遣を決定したよ。北の第三、第四、西の第六の3軍だ」

【男主人】「それって……」

【王子様】「あからさまに王国軍の王弟派ばかり、というより、直接叔父上の息が掛かっている団だな」

【男主人】「いよいよ進退きわまれりですかね」

【王子様】「叔父上には、そろそろ早めの隠居と洒落込んで貰わないとな」

【男主人】「まだまだ若いでしょうに、確か今年で42歳位ではありませんでしたか?」

【王子様】「ボクらより1世代違うじゃないか、そろそろ世代交代の時期だと思うのさ」

【男主人】「否定はしませんけど」

【王子様】「くっくっく……おぬしも悪よのお」

【男主人】「いえいえ、王子様ほどでは……と返せばいいんでしたっけ?」

【王子様】「よし!」

【男主人】「はぁ……それじゃあ、僕の方は引き続き、いざと言う時の根回しをしておきます」

【王子様】「ああ、頼りにしている」

【男主人】「もしもの時の……覚悟は決めましたので」

【王子様】「覚悟な……よく聞け。あの時のように1人では行くなよ、絶対にだ」

【男主人】「それは……」

【王子様】「何、ボクが一緒に行くとまでは言わない、が、お前1人に全てを背負わせるつもりもない」

 

 

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