表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/181

第54話『男主人は、人を嫌いになれないでいた』

 

 ■草原と平穏の国:王宮(執務室)

 

【男主人】「副官女は随分と優しくなったよね……いや、僕も丸くなったから、お互い様かな?」

【副官女】「む、昔のことは言わないで下さい!」

【男主人】「僕の両親は共に魔術師だったけど、決して優秀と言えるほどの力があったわけじゃない。僕が持つ膨大な魔力は、血統からすれば突然変異みたいなものでね」

【副官女】「その……男主人様のお父様はお母様を疑ったりはしなかったのですか?」

【男主人】「むしろ両親は、子供の僕が恥ずかしくなるくらい愛し合ってた。父は、僕の異常さを気付いてすぐに封印を施し、王宮に僕の力を隠したんだ。今だからこそ、父の正しさが分かるし、その判断に尊敬すらしてる」

【副官女】「素敵なご両親だったんですね……」

【男主人】「東公爵夫妻も素敵な方々だと思うけど」

【副官女】「まぁ、自慢の両親とは言いにくいですが、……優しい両親ではあります」

【男主人】「僕のこの力が、子どもに継がれるかどうかは分からない。けど、僅かでもその確率があるなら、子供なんかは欲しくない。むしろ、子供が作ることが想像できない。僕は一人で生きて死のうと思ってた」

【副官女】「…………」

【男主人】「僕はあの戦争で、一度“心”を失くしたんだ。いや、失くしたんだと思い込んでいただけだったかな」

【副官女】「…………」

【男主人】「ダメだよねぇ。僕は、人が嫌いじゃないんだ。長ミミや猫ミミが来て、家に一人じゃなくなって、余計に感じちゃってさ」

【副官女】「私じゃ、ダメだったんですか?」

【男主人】「ううん、副官女や部下男、妹や師匠、一応、王子様がいてくれたから、僕は人を嫌いになりきれなかったんだと思う。その僕の歪みを長ミミに指摘されちゃってね」

【副官女】「長ミミさんですか……」

【男主人】「容赦ないよ。人が必死に目を背けていた事実をいきなり突きつけるんだ」

【副官女】「なんて言われたんですか?」

【男主人】「『副官女様は……お嫌いですか?』だってさ、咄嗟に言い返せなかった」

【副官女】「私の……ことを?」

【男主人】「嫌いじゃないよ。好きか嫌いかのどっちかなら、多分好き。けど、それが男女の愛かと問われれば、分からない……単純に自分が親になる自信がないだけなのかな」

【副官女】「分かりました。じゃあ……」

【男主人】「ただね、あんまり挑発されると……僕も我慢が効かなくなるというか、そういう欲がなくなったわけじゃないから……魔術で純粋に行為だけをすることができるから、気をつけてね?(にっこり」

【副官女】「き、気を付けますっ!!(真っ赤」

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ