表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/181

第47話『妖艶女と、乾杯していた』

 

 ■草原と平穏の国:男主人邸

 

【長ミミ】「ご主人様から言付けを伺いました。私をお呼びでしょうか?」

【妖艶女】「ああ、呼び立てて悪かったな。とりあえず一杯付き合ってくれないかい」

【長ミミ】「……では、一杯だけ」

【妖艶女】「何について乾杯しようかねぇ」

【長ミミ】「ご主人様の女難祓じょなんばらいを願って、ではいかがでしょう?」

【妖艶女】「ぷっ、それじゃあ、アタイたちの出会いと男主人の鈍感さに乾杯(グイッ」

【長ミミ】「乾杯(コクコク」

【妖艶女】「ぷはー、お、あんたも行ける口だね。もう一杯……」

【長ミミ】「ありがとうございます。それで、本題は何でしょうか?」

【妖艶女】「そう急かすなよ。あんたに確認したいことがあってね……“棘の氏族”って知ってるかい?」

【長ミミ】「……「森林と調和の国」における有力六氏族の1つですね。集落が国の南、隣国との境に位置するため、国では最も好戦的な氏族と記憶しております」

【妖艶女】「ほぉ、眉一つ動かさないとは見事なもんだ」

【長ミミ】「質問はそれだけでしょうか?」

【妖艶女】「おいおい、アタイがカマを掛けてるんだから、少しくらいは反応してくれよ」

【長ミミ】「はて? カマを掛けられるような覚えはありませんので」

【妖艶女】「主人が主人なら、使用人も使用人だ……ふてぶてしいったらない」

【長ミミ】「お褒めいただき有難うございます」

【妖艶女】「誰も褒めてないって……その様子じゃ、喋るつもりはないんだろうね」

【長ミミ】「私が“棘の氏族”に所属している、と言うことですか?」

【妖艶女】「って、喋るのかい!」

【長ミミ】「妖艶女様が聞きたそうでしたので、特別に隠しているつもりはありませんし」

【妖艶女】「この時期に、わざわざ王都まで……あんたほどの力がある魔術師が来たのは偶然か?」

【長ミミ】「さて、これから起こることは全て偶然で、起こったことが必然ではありませんか?」

【妖艶女】「やれやれ……確かにこれじゃあ、男主人様の手に余るわけだ」

【長ミミ】「あえて言うとしたら、私はご主人様を裏切ることだけはありません」

【妖艶女】「ふんっ、嘘つきは“自分が嘘つきだ”っては言えないんだよな」

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ