第44話『男主人は、気が休まらないでいた』
■草原と平穏の国:男主人邸
SE(食事の音):カチャカチャ…………
【猫ミミ】「ねぇ、長ミミさん、どっちがホンサイで、どっちがオメカケさん?」
【長ミミ】「あらあら……」
【男主人】「ぶはっ……げほげほっ」
【副官女】「ななななっ!?」
【妖艶女】「ぷっ……ふふっ、ねぇ男主人様、アタイがホンサイでお嬢ちゃんがオメカケさんでどうだい?」
【男主人】「いいっ!?」
【妖艶女】「そうかい、“イイ”かい」
【副官女】「冗談じゃありません! ど、どうしても、っていうなら私がホンサイなのが筋でしょう!?」
【妖艶女】「おやおや、アタイは男主人様に質問しているんだよ? そもそも何が筋なんだか」
【副官女】「少なくても貴女がホンサイって言うのは許せません!」
【長ミミ】「猫ミミちゃん、お二方ともホンサイではありません。あえて言うならアイジンさんってところですね」
【猫ミミ】「なるほど! じゃあ、あたしたちと一緒だね!!」
【長ミミ】「そうなりますね」
【副官女】「えええええっ!!」
【妖艶女】「おやおや……どおりでアタイがいくら誘っても効かないわけだ」
【男主人】「いや、訳知り顔で納得しないで欲しいんだけど……」
【副官女】「男主人様っ!! やっぱり「うふ~ん、ご主人様、まだまだ許しませんわ」ですか!? 違いますよね! 違うと言ってください!!」
【男主人】「副官女、落ち着けっ!! 何がどう違うかが分からない!」
【長ミミ】「猫ミミちゃん、ご主人様は大好き?」
【猫ミミ】「うん、大好き! だって、あたしのこと痛くしたりしないし、優しくしてくれるから!」
【副官女】「痛くしないで……や、優しくっ!?」
【男主人】「あああっ!! 長ミミも人に誤解されるような話題をっ!!」
【長ミミ】「ご主人様は猫ミミちゃんがお嫌いなのですか?」
【猫ミミ】「えっ……ご主人さま、あたしのこと嫌いなの?(泣きそう」
【男主人】「いや好きだよ! うん、猫ミミはちゃんと屋敷の仕事をしてくれるイイ子だからね!」
【長ミミ】「『ご主人様、私のこと嫌いなの?』(嘘泣きそう」
【男主人】「とりあえず、今限定で大っ嫌いだ!!」