第42話『三人が揃って、見合っていた』
■草原と平穏の国:男主人邸
【長ミミ】「………………」
【副官女】「………………」
【妖艶女】「………………」
【男主人】(女三人寄れば、姦しいと、昔の方は言いました……く、空気が重いっ)
【長ミミ】「………………」
【副官女】「………………」
【妖艶女】「………………」
【男主人】「えーと……」
【長ミミ】「ご主人様」
【男主人】「は、はいっ!」
【長ミミ】「玄関で立って話すのもなんですので、皆様と晩餐をご一緒するということでよろしいでしょうか?」
【男主人】「よろしくお願いいたしまする」
【副官女】「え、あ、そんな悪いです!」
【妖艶女】「そりゃちょうど良いね、アタイは遠慮なくご馳走になるよ。お酒はつくかい?」
【長ミミ】「そちらの王国軍の方、ご遠慮なさらずに、ご主人様の許可も頂きましたので歓待させていただきます。そちらの胸元がはだけた服装のお方、葡萄酒でよろしいでしょうか? エールなども用意できますが」
【副官女】「……じゃ、じゃあ、ご馳走になります!」
【妖艶女】「あんまり歓待されるって感じの口調じゃないね」
【長ミミ】「そのように聞こえましたら申し訳ありません。この口調は生まれつきと職業柄ですので」
【妖艶女】「ふふん、葡萄酒を頂こうかね。ショウガ入りの水割りで頼むよ」
【長ミミ】「水割りですか……なんでしたら、氷割りも用意できますが?」
【妖艶女】「ほぉ、なら、そっちで。ショウガはなしでお願いするよ」
【長ミミ】「かしこまりました。そちらの方も飲み物はいかがなさいますか?」
【副官女】「えーと、じゃあ同じもので……」
【長ミミ】「はい。それでは、皆様、まず食堂でお待ち下さい。ご主人様?」
【男主人】「は、はいっ!」
【長ミミ】「皆様の分の食事を用意してまいりますので、お二人とご一緒に仲良く楽しくご歓談下さい」