表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/181

第32話『長ミミさんが、言い負けていた』

 

 ■草原と平穏の国:男主人邸(裏庭)

 

【猫ミミ】「はむはむ、おいしぃー♪」

【白髪女】「ふむ、生ハムを刻んでフレッシュチーズと混ぜ合わせてるんだねぇ。これは美味い」

【長ミミ】「白髪女さん、その、なんで私たちまで一緒に食事をしているのでしょうか?」

【白髪女】「そりゃ、アタシが命令したからだろうねぇ?」

【長ミミ】「なんでそんな命令をされたのでしょうか?」

【白髪女】「そりゃ、一緒に食事をするためじゃないかい?」

【長ミミ】「…………」

【白髪女】「ほら、アンタも食べなよ。この何の実か分からないジャムのサンドイッチも美味いよ」

【長ミミ】「それはニンジンのジャムです」

【白髪女】「なるほど、言われてみれば確かにニンジンの風味がするねぇ」

【猫ミミ】「ご主人さまはニンジンが嫌いなんだって、だから長ミミさんが色々頑張ってるんだ!」

【白髪女】「ああ、ヤツの食わず嫌いを直すためかい。アタシも一時期頑張ったんだけど、全力で抵抗されたねぇ」

【長ミミ】「ええまったく嫌いだからといって、こっそり残すだなんて子供っぽい」

【白髪女】「もっともアタシも無理やり食べさせようとしたから、お互い様かねぇ」

【猫ミミ】「あたしは何でも残さず食べるよ!」

【白髪女】「猫耳ちゃんは偉い偉い。アタシは長ミミほど手間を掛けたりはしなかったけど」

【長ミミ】「……その、悔しくありませんか? せっかく作った料理が残されると」

【白髪女】「なるほどねぇ。ただ料理を仕事と割り切っていれば、そんな気持ちにはならないもんだよ」

【長ミミ】「私はあくまでメイドの仕事として料理をしていますが」

【白髪女】「うん、確かに料理はメイドとしての長ミミの仕事なんだろうねぇ」

【長ミミ】「それは、先ほどの言葉と矛盾をしませんか?」

【白髪女】「もう少し詳しく説明が必要かい?」

【長ミミ】「よろしければ、是非」

【白髪女】「じゃあ、交換条件だ。ほら、一緒に昼食を楽しんで、デザートが終わったら話してあげよう」

【長ミミ】「…………いただきます」

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ