第31話『女三人で、語っていた』
■草原と平穏の国:男主人邸
【長ミミ】「白髪女様、本日のお昼はいかながさいますか?」
【白髪女】「アンタに任せてもいいかねぇ?」
【長ミミ】「かしこまりました。では、その様にいたします」
【白髪女】「うーん、なんか堅苦しいねぇ。お客様扱いなのは分かるけどさ」
【長ミミ】「ご主人様から、ご主人様と同じように扱って欲しいと言い付かっておりますので」
【白髪女】「もう少し砕けた口調でさ、呼び方も「白髪女さん」くらいにならないかい?」
【長ミミ】「……その方がよろしいのでしょうか?」
【白髪女】「うんうん、お客様かもしれないけど、もう少し親近感が欲しいねぇ」
【長ミミ】「…………」
【白髪女】「それとも、若い子は、こんなおばーちゃんの相手はイヤかい?」
【長ミミ】「そのようなことはありません、けども……」
【白髪女】「じゃあ決まりだ。おーい、そっちの、えっと猫ミミちゃんだっけ?」
【猫ミミ】「は、はい! なんでしょう!」
【白髪女】「男主人は良くしてくれてるかい?」
【猫ミミ】「うんっ! あたしは孤児なんで、本当の家族はいないんだけど、お兄ちゃんみたいで嬉しいの!」
【白髪女】「まぁ、性格は良い男だからね。じゃあ、今日からアタシが猫ミミちゃんのおばーちゃんだ」
【猫ミミ】「おばーちゃん?」
【白髪女】「うんうん、男主人の妹ならアタシにとっては孫みたいなもんさ」
【猫ミミ】「え、え?」
【白髪女】「男主人がお兄ちゃんなら、アタシはおばーちゃん、ほら、呼んでみな」
【猫ミミ】「お、おばーちゃん…………あぅ(テレ」
【長ミミ】「あの……」
【白髪女】「アンタもおばーちゃんって呼んでくれても構わないんだよ?」
【長ミミ】「いえ、その、白髪女様……」
【白髪女】「白髪女さん、もしくは、おばー様なら許すけどねぇ?」
【長ミミ】「……白髪女さん、ピラフとサンドイッチのどちらがお好きですか?」
【白髪女】「よしよし、じゃあサンドイッチにしてくれるかい? 庭で一緒に食べようじゃないか」