第30話『お師匠様が、やって来ていた』
■草原と平穏の国:男主人邸
【白髪女】「ふぅ、まったく年は取りたくないもんだねぇ。王都に来るだけで億劫でしょうがない」
【男主人】「い、いえ、師匠はいつでもお若くてお元気です(カチコチ」
【白髪女】「おやおや? いっぱしの世辞が言えるようになったもんだ」
【長ミミ】「(トポトポ……」
【白髪女】「修行が辛くて涙流してた小僧が、師団長とは……時の流れは早過ぎるねぇ(しみじみ」
【長ミミ】「どうぞ、ミルクと砂糖はそちらの壷から好みでおいれください」
【白髪女】「ありがとう、いただくよ。……(こくこく)……美味い。お前さん、いい腕してるねぇ」
【長ミミ】「お褒めいただきありがとうございます」
【男主人】「それで、師匠は本日はどんな用があって?」
【白髪女】「用がないなら、弟子の顔を見に来ちゃいけないってのかい?」
【男主人】「そんなことはありません! 師匠でしたらいつでも歓迎します!」
【白髪女】「そうかいそうかい、じゃあ、しばらくの間この家で厄介させてもらおうかい」
【男主人】「うぇいっ……?」
【白髪女】「ひさしぶりに王都まで出て来たんだ、しばらくこっちに居ようかと思ってねぇ」
【男主人】「師匠のためでしたら、一流宿の部屋を押さえますけどっ!?」
【白髪女】「宿代がもったいないじゃないかい、その分は夕食の酒代にしとくれ」
【男主人】「そ、そうですか……?(汗」
【白髪女】「何を怯えてるんだい。そりゃあ昔はちょいと厳しく修行をつけてたけどねぇ」
【男主人】(あ、あれが“ちょいと”…………生死の境をさまよったのが何回かも覚えてないのに……)
【白髪女】「今は自主鍛錬してるんだろ? だったら、アタシがとやかく言うつもりはないよ」
【男主人】「そ、そうですか……」
【白髪女】「まぁ、どうしてもって言うなら老体に鞭を打って、指導するのも考えるけどねぇ」
【男主人】「あは、あははは……」
【白髪女】「それでアタシは泊まらせてもらっていいのかい?」
【男主人】「はい! 師匠でしたら、我が家だと思って、何日でもご宿泊ください!!」
【白髪女】「それじゃあ、10日ばかりお世話になろうかねぇ。お嬢ちゃん達もよろしく頼むよ」
新キャラ紹介。おばぁちゃんキャラも結構好きです。
●白髪女
【種族】:人間族 【年齢】:58歳 【性別】:女性
【一人称】:アタシ
【設定】:
・男主人の魔術の師匠。
・のんびりした口調とは裏腹に修行は厳しいらしい。