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第26話『噂は、羽が生えて飛んでいた』

 

 ■草原と平穏の国:有名娼館

 

【妖艶女】「あら、男主人様じゃないの。今夜こそは、アタイたちを買いに来てくれたのかい?」

【男主人】「残念ながら、今回もただの使い走りでね」

【妖艶女】「やだやだ、まったく残念だなんて欠片にも思ってないクセに、そんなだから変な噂が立つんだよ」

【男主人】「変な噂?」

【妖艶女】「なんでも異種族の娘を地下牢に閉じ込めて、毎晩あんな事やそんな事をしてるんだって?」

【男主人】「はっはっは」

【妖艶女】「そういう趣向がオッケーな娘もいるけど?」

【男主人】「変な気を回すなっ!!」

【妖艶女】「十分間に合ってる……と? 随分な入れ込みようじゃないの、熱い熱い」

【男主人】「あのさ、妖艶女、分かってて言ってるよね?」

【妖艶女】「はて、なんのことだろね?」

【男主人】「その噂は、すでに尾鰭おひれどころか翼が生えて空を飛んでるし……」

【妖艶女】「いずれ炎を吹く立派なドラゴンになりそうだ(ケラケラ」

【男主人】「はぁ……とりあえず、ほい、今月分の“ツケ”ね。(ジャラリ)足りてる?」

【妖艶女】「ひのふの……んっと、これだけで十分。残りは持って帰っとくれ」

【男主人】「はいはい。で、今回は一つ僕の方から頼みたいことがあるんだけど」

【妖艶女】「改まってなんだい? あんたはお偉いさんなんだから、ただ命令すればいいじゃないか」

【男主人】「少しばかり危ない話だからね。こればっかりはお願いするしかないしさ」

【妖艶女】「あー、ほんとイヤな男だよ。そう言われた方が断りにくいってのに」

【男主人】「妖艶女は、ほんとイイ女だと思うね」

【妖艶女】「そう思うなら一晩くらいアタイを買ってみろってんだ」

【男主人】「あいにくと、娼館のナンバーワンを買えるほどの甲斐性はないさ」

【妖艶女】「で、頼みたいことって?」

【男主人】「西の客と少し長めに“お喋り”して欲しい」

【妖艶女】「“お喋り”するだけでいいのかい? “閨に入ったり”、“伽の相手”はしなくても?」

【男主人】「うん」

【妖艶女】「近いうちに何かあるのかい?」

【男主人】「何も無ければ良いけどね……ほんと、そう願うよ」

 

 

 

 新規キャラクターの紹介です。

 

●妖艶女

【種族】:人間族 【年齢】:27歳 【性別】:女性

【一人称】:アタイ

【設定】:

・有名娼館のナンバーワン。

・なんか色々と裏の仕事を請け負っているっぽい。

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