第1話『家に帰ったら、長ミミさんがいた』
■草原と平穏の国:男主人邸
【男主人】「………………」
【長ミミ】「………………」
【男主人】「えっと……もう一度、言ってくれる?」
【長ミミ】「では、こほん……お初にお目にかかります。エルフ族の長ミミと申します、ご主人様」
【男主人】「えっと、ご主人様? 誰が?」
【長ミミ】「ユー(男を指差し」
【男主人】「ミー?(自分を指差し」
【長ミミ】「イエス(こくり」
【男主人】「なんで、古代語?」
【長ミミ】「ご主人様は、少々共用語が不自由なのかと思いまして」
【男主人】「いや、古代語よりは得意だけど……」
【長ミミ】「冗談です」
【男主人】「そう……えと、共用語お上手ですね」
【長ミミ】「恐れ入ります」
【男主人】「…………なんで、僕の家にいるの?」
【長ミミ】「メイドですから」
【男主人】「僕は、長ミミさんを雇った覚えはないんだけど」
【長ミミ】「がーん、ひどい、あの時の言葉は嘘だったのですね」
【男主人】「えええっ!?」
【長ミミ】「私を抱きしめながら、『一緒に来る? 僕が面倒を見てあげるよ』と言って下さった優しい言葉」
【男主人】「え、それは誰!?」
【長ミミ】「お酒とは怖いものですね……」
【男主人】「いや、僕そんなに酔わないのに!? 嘘っ!」
【長ミミ】「嘘です」
【男主人】「なんで嘘をつくの!? 騙す必要がどこにっ!?」
【長ミミ】「ふふふ……」
【男主人】「いや、そんな無感動に笑われても、どうしていいか分からないし!!」
【長ミミ】「私の真の雇い主である美女妹様のご指示です」
【男主人】「あーあー、納得。美女妹に派遣されてきたのね(ぐったり」
【長ミミ】「末永くよろしく弄ばせて頂きます、ご主人様」
【男主人】「ああ、こちらこそよろしく……できるかぁ!!!」