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第154話『戦争は、停戦に向かっていた』

 

 ■森林と調和の国:草原軍野営地

 

【男主人】「堅騎士殿、状況はどうなっている?」

【堅騎士】「おお、男主人殿。見事な扇動だったな……状況は概ね予想以上の効果が及ぼしている。すでに5千人以上の投降者が出たと思われる。ああ、騎士娘もよく頑張った」

【騎士娘】「はっ、ありがとうございます。師団長」

 

 

【部下男】「失礼します。こちらに男主人様がいらっしゃると」

 

【男主人】「おっ、ここだここ。ご苦労だったな。堅騎士殿、騎士娘……紹介します。第十一師団のナンバー3の部下男で、今回の作戦におけるもう1人の立役者です。それで、首尾しゅびは?」

【部下男】「任せてください。鉱山軍の司令部の天幕に催眠香を焚いてきましたから、敵の首脳陣は、全員しばらく意識が戻らないでしょう。眠りから覚めた時には、もう遅いと思います」

【堅騎士】「ほう、敵の中心部まで忍び込んだと言うのか?」

【部下男】「まぁ……種を明かせば、敵の正式な武装一式をまとって、堂々と乗り込んだだけです」

【堅騎士】「そうだとしても、それ自体は並大抵の度胸ではできないことだ。素晴らしい」

 

 

【射手男】「失礼するっす。堅騎士様、敵の投降者がそろそろ8千人に超えたしそうっす。あ、男主人様たちもここにいたっすか」

 

【堅騎士】「敵の1割が投降したか、この調子なら、完全に鉱山軍は瓦解しそうだな」

【射手男】「男主人様の作戦が大成功っすね」

【男主人】「みんなの協力のおかげだよ」

【騎士娘】「そんなことはありません! 確かに私たちも力を貸したかもしれませんが、男主人様がいなければ、今回の作戦は、そもそも提案されることすら無かったと思います!」

【射手男】「その通りっす……だから、残念っす。男主人様は、この戦争では手柄を立てないで……欲しかったっす」

 

 

 

 

 

SE(短剣が肉に刺さる音):ドスッ…………

 

 

 

 

 

【射手男】「男主人様には、毒が一切効かないと聞いてるっす。この短剣は、毒ではなく……“呪い”によって、相手を殺すものらしいっす。

 ……おれらのために、死んでくれっす」

 

【男主人】「っ!?」

 

【射手男】「男主人様が手柄を立てた時、立ててしまった時に戦場にいる間に刺すように言われたっす。

 きっとおれもすぐに後を追うから先に逝ってて欲しいっす。

 ……おれは、自分が生きて帰るのが大事っすけど、人質娘の命の方が何倍も大事っすから」

 

 

 

SE(人が倒れる音):ドサッ……

 

 

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